「名作コンシェルジュ」掲載!ガーディナー指揮/ベルリオーズ:幻想交響曲
2024年4月14日(日)日経日曜版「名作コンシェルジュ」に掲載されました
重なり合う19世紀の音 聖と俗が入り乱れる (鈴木淳史氏評)
イギリスの名指揮者ジョン・エリオット・ガーディナー(1943~)が、自ら結成した古楽器オーケストラ「オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク」を振って初演当時の響きの再現を狙って1991年に録音したベルリオーズの幻想交響曲が2024年4月14日(日)日経日曜版の鈴木淳史氏による名物コラム「名作コンシェルジュ」で紹介されました。
鈴木氏は「ガーディナーが指揮した幻想交響曲は衝撃だった。初演時の演奏スタイルを用い、その響きの斬新さを存分に引き出した手腕に、目を開かれる思いが したものである。」と書き出し、約30年前に初発売されたこの録音の意義を紹介。ベルリオーズの幻想交響曲は「失恋による服毒自殺を試み、そのとき見た幻想をテーマとした、元祖サイケデリックな音楽」だけに「イケイケドンドンでモーレツに盛り上げる演奏だって少なくない。」ものの、ガーディナーは「この音楽ならではの響きを丹念に作り上げていく。そうすることで音楽がもつ異常な高揚感が自ずと湧き上がってくる」と解説。この演奏で使用される楽器も「チューバの前身で軍楽隊で用いられたオフィクレイド。トロンボーンの先祖で主に数会で使われたサックバット。木製ながら金管楽器の役割を担うセルパン。いずれも現在のオーケストラでは用いられない楽器だ。」と紹介し、「現在のものより柔らかい音色をもつこれらの楽器が、重なり合い、これまで聴いたことのない鮮やかな響きをもたらす。」としています。結果として、演奏は「新しいものと古いもの、聖と俗が入り乱れ、色彩による喧騒を作り出す。」こととなり、「この曲が初演されたのは、ブルボン復古王政が倒された七月革命の年でもあった。この演奏ほど、そんな時代の息吹をリアルに伝えてくれるものはないのではないか。」と結んでいます。
(タワーレコード)
ベルリオーズの革命的(レヴォリューショネル)でロマンティックな音楽をその時代の楽器によって生き生きと現代に甦らせるためにガーディナーが結成した「オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク」による《幻想》。初演の場所である旧音楽院ホールにおける収録で、作曲者が彼の時代に聴いた音、意図した響きを鮮やかに表現しています。
(ユニバーサルミュージック)
【曲目】
ベルリオーズ:
幻想交響曲 作品14
【演奏】
オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク
指揮:ジョン・エリオット・ガーディナー
【録音】
1991年9月 パリ
カテゴリ : Classical
掲載: 2024年04月15日 12:00