「名作コンシェルジュ」掲載!チョン・ミョンフン/メシアン:トゥーランガリラ交響曲
2024年6月9日(日)日経日曜版「名作コンシェルジュ」に掲載されました
多様な楽器が生む響き 幾度も押し寄せる高揚感 (鈴木淳史氏評)
1953年ソウル生まれのチョン・ミョンフンがパリ・バスティーユ管弦楽団と1990年に作曲者メシアン(1908~92)監修のもとに録音した「メシアン:トゥーランガリラ交響曲」が2024年6月9日(日)日経日曜版の鈴木淳史氏による名物コラム「名作コンシェルジュ」で紹介されました。チョン・ミョンフンは6月下旬に東京フィルハーモニー交響楽団でこの曲を指揮します。
鈴木氏はトゥーランガリラ交響曲を「20世紀を代表する大交響曲だ。編成も打楽器奏者だけで10人が必要で、独奏者としてピアノと電子楽器のオンド・マルトノも加わる、全10楽章からなる大作」「愛と死をテーマとする交響曲。その聴きドコロは、大管弦楽が奏でる、波のように大きなうねりとなって何度も押し寄せるエクスタシーにある」と紹介。チョンの演奏は「繊細を極めた音色表現で、もっとも官能的かつ耽美的」で、「異なる種類の楽器の音を重ね、未知の響きを作り出すメシアンの特色を事細かに表現する」と解説。演奏の流れも良く、「第2楽章のように動と静が瞬く間に交代する曲でも、コントラストを際立てつつ、波打つように突き進む」「もっとも高揚感に満ちた第5楽章『星々の血の喜び』も、中間部でバランスを瞬時に組み替え、単なるイケイケな音楽にならないようにコントロール」し、終楽章では「最後の音は極限にまで引き伸ばされ、彼方へと増えていく。西方浄土の夕陽に包み込まれるように大曲を締めくくった」と結んでいます。
(タワーレコード)
フランス現代音楽の巨匠、メシアンの傑作《トゥーランガリラ交響曲》を、チョン・ミョンフンが作曲者監修のもとに録音したアルバム。メシアンが自らの演奏体験から作成した改訂版楽譜が用いられています。メシアン本人が「録音を聴いたときの私の感動はいかようであったか!」と語った名盤です。
(ユニバーサルミュージック)
【曲目】
メシアン:トゥーランガリラ交響曲
【演奏】
イヴォンヌ・ロリオ(ピアノ)
ジャンヌ・ロリオ(オンド・マルトノ)
チョン・ミョンフン(指揮)
パリ・バスティーユ管弦楽団
【録音】
1990年10月
パリ
カテゴリ : Classical
掲載: 2024年06月10日 00:00