好評のアール・ブラウン・シリーズ~待望の第5弾
電子音楽の先駆者グループ、ソニック・アーツ・ユニオンメンバーの意欲的録音
コンコード・ソナタ世界初録音(当時)音源
20世紀最大のフルート奏者、セヴェリーノ・ガッゼローニによる迫力のベリオ&松平!
[CD2]は、1939年にカークパトリックによって初演されて以来、演奏不可能とされた、マーラーのように壮大で物語性に満ち、ベートーヴェンの第5番交響曲の引用といった古典の要素と、小節線がなく板で鍵盤を押してトーン・クラスターの効果といった現代的な要素をあわせもつコンコード・ソナタの不滅の名演。第1楽章は広大なコンセプト、第2楽章はいくらかおとぎばなしのような世界にむけての冒険へと我々をいざなうマテリアルの断片、第3楽章は行進曲風、第4楽章は「夜行列車とともに安らぎのないこの世界もどこかへ行ってしまい」、「詩人の吹くフルートの音色が湖の向こうから聴こえてくる」といったアイヴズのノートを読みながら聴くと様々な風景が目の前に広がります。
[CD3]はフルートの伝説的名手、ガッゼローニの演奏による20世紀の名作の数々。フルートのために作品を書くことは作曲家にとって非常に足かせの多い挑戦となります。約3オクターブに限られた音域、音色の可能性の幅の狭さ、また、発生できるノイズ音も、キーをタッピングする、あるいは楽器に息を吹き込む音など2種類ほどしかありません。しかし、1919~1992年に生きたガッゼローニは、ストラヴィンスキー、ブーレーズ、リゲティなど内外を問わず様々な大作曲家にインスピレーションを与え、ガッゼローニのために作品を書きました。現代のフルート音楽はガッゼローニなくして語れないといっても過言ではないでしょう。ベリオのセクエンツィアなどは鬼気迫る完璧な技巧の名演、松平の蘇寞者も神秘的な雰囲気にのまれてしまいます。
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※“Vol.4”は、事情により発売延期となっております。