〈フジロック'11〉出演!システム7の4年振り新作&千円生活セレクションも!
90年代初期から活動し、美しいテクノ、トランス、アンビエントを生み続けるスティーヴ・ヒレッジとミケット・ジラウディーによるユニット、システム7。手塚治虫「火の鳥」にインスパイアされた前作『Phoenix』以来4年ぶりの本作も、聴くたびに恍惚とナチュラル・ハイが訪れる、揺るがない美学を持ったサウンドスケープ。ROVOの勝井祐二、UKハウスの重鎮ア・ガイ・コールド・ジェラルドなど、参加陣もツボを突いた人選。
今なら特典としてDVD(「Positive Noise」PV収録)付き!
【千円生活】スティーヴ・ヒレッジ・セレクション
このアルバムは、僕がカンタベリーでプロとしてデビューした当時に立ち戻らせてくれる作品。ソフト・マシーンと、キャラバンが僕の音楽のベースになっていたからね。ソフト・マシーンはデヴィッド・アレンの最初のバンドという事も所以しているんだと思う。そしてこのアルバムを最後にデヴィッドはバンドを離れ、ゴングへと移行するんだけれど…。本作のアイコン的な曲「Moon in June」はロバート・ワイアットの構成力、そして躍動的なヴォーカルが素晴らしい。
僕らが1994年に初来日した際に、共演したのがオービタルだったんだ。素晴らしい一夜だったのを覚えている。その後も彼らとの共演は度々あったけれど…。テクノシーンにライヴスタイルを導入したスタイルや、ユニークな手法は、U.K.のシーンにとても影響力があったと思う。数ある彼らの作品の中でも「Halcyon」は最も優れていると思うよ。
70年代のプログレッシヴ・ロックからファンク&エレクトロニックスへの移行と共に、ジョージ・クリントンのファンカデリックとパーラメントは、僕らに絶大な影響を与えてくれたんだ。 1989年にシステム7の方向性を導いてくれた重要なプロセスを担ってくれた1枚。
本作と、ヒットシングル「Wordy Rappinghood」と「Genius of Love」がリリースされた1981年、僕はシンプル・マインズのプロデュースの佳境にいたんだ。これは僕にとって当時のプロダクションからの仕事として最も大きなものだった。そしてこの年は僕らがU.K.のクラブカルチャーに傾倒して行く重要なきっかけとなる年でもあったんだ。結局この年の出来事が僕らをシステム7として形成するきっかけになった。そんな僕らにとって重要な年に発表されたトム・トム・クラブは、今でも充分素晴らしいサウンドだね。
90年代初頭のU.K.クラブシーンに影響を与えた1枚。システム7を始めた当時、彼らとは同じレーベルに所属していた。1995年、僕がグラストンベリー・フェスティヴァルに初めてダンステントを導入する案を出した際、マッシヴ・アタックは初日を担当してくれたんだ。彼らの地元ブリストルのアーティストやDJ出演者を取り仕切ってくれたりした同士でもある。このアルバムは今聴いても素晴らしいよね。
90年代に発表されたのロック/ラップ アルバムの中でも、本作はとても素晴らしい政治的動機を持った作品だと思う。18ヶ月前、このアルバムに収録されていた曲がUKでクリスマス用に再リリースされた際、POPチャートのNo.1を獲得し、100万枚のセールスを記録したんだ。これはイギリスのレコードバイヤー達の「これ以上くだらないPOPミュージックの大量生産は不要!」という事へのリアクションのように思う。素晴らしい楽曲。そしてトム・モレロのギターサウンドも素晴らしい。
システム7結成時、僕らとジ・オーブとのパートナーシップは強固な物となったんだ。代表的なコラボレーションは、ジ・オーブの2枚目のアルバムに収録された「Blue Room」で、この曲のキーボードは全編ミケットによって演奏され、僕のヘヴィーなエフェクトを駆使したギターも随所にちりばめられている。更に40分ヴァージョンの編集も手伝ったんだよ。その当時U.K.で最も長いシングル楽曲のリリースという事にもなった。結果この曲はUKチャートのNo.1を記録し、アルバム自体もNo1になった。この素晴らしい作品に関われた事を誇りに思っているよ。