名歌手の足跡を辿る1枚~宮原卓也『声の変遷』
往年の大歌手、宮原卓也のオペラに於ける声の変遷!
1958年30歳~1972年44歳、バリトンでもテノールでも、超一流の歌唱が繰り広げられていることにまさに驚愕。前作(WWCC-7578)は、「レコード芸術」特選盤になるなど絶賛された名歌手の貴重な録音がCD化。既に80歳を過ぎていますが、宮原卓也の若い頃から円熟の頃、そして、70歳を迎えた時期、それぞれの“声”の変遷を辿る1枚。前作ではドイツ歌曲集を収めていましたが、今回は、イタリア&ドイツ・オペラより有名なアリアを年代をおって収録しています。本来バリトンながら、二期会のヘルデン・テノールを一手に引受けた力強い歌声が聴きモノです。伴奏は、往年の名指揮者、ニコラ・ルッチ[1909~1992]、森正[1921~1987]、オケは東京フィル。
【曲目】
ヴェルディ:オペラ「リゴレット」より
おいぼれめ、呪いおった (1958年)
この俺は口先で人をちゃかすが (1958年)
やい貴族、犬め、畜生め (1958年)
マスカーニ:オペラ「カバレリア・ルスティカーナ」より
おお、ローラ艶に美しき、想いに沈む目差しよ (1964年)
ママ,心配はいらないよ (1964年)
プッチーニ:オペラ「トゥーランドット」より
寝られぬ、寝られぬ! (1964年)
ヴェルディ:オペラ「オテロ」より
恐るな、見てのとおりに… (1967年)
ベートーヴェン:オペラ「フィデリオ」より
おお、この暗さ! (1968年)
ドニゼッティ:オペラ「ランメルムアのルチア」より
我が祖先の墓よ (1971年)
プッチーニ:オペラ「マノンレスコー」より
ああ!誰もさわるな! (1972年)
ワーグナー:楽劇「ワルキューレ」より
父上は、俺に剣をくれると約束して (1972年)
ジークムントは私の名 (1972年)
【演奏】
宮原卓也(テノール&バリトン)
東京フィルハーモニー交響楽団
指揮:ニコラ・ルッチ、森正、他
※12月15日発売のその他の新譜は、こちら。和波孝禧による新録音のバッハなど、注目です。