魂の作曲家、佐村河内守 作品集、第2弾は、世界初録音となる室内楽作品集
奏者の深い共感による真実の響きとして紡ぎあげられた、愛と祈りの音楽。
魂の作曲家、佐村河内守 作品集、第2弾。世界初録音。
現代の作曲家による「非現代音楽」的作品の可能性を問う室内楽作品集。
『無伴奏ヴァイオリンのためのシャコンヌ』
バッハによる歴史的名曲以来、神聖にして冒すべかざるジャンルと思われてきた、「無伴奏ヴァイオリンのためのシャコンヌ」に、佐村河内が真正面から挑んだ作品。
東京交響楽団のコンマス大谷康子さんに献呈された作品。2012年1月世界初演予定。
『ヴァイオリンのためのソナチネ』
ソナチネは、佐村河内との交流があり、先天性の障害により右肘から先のない少女(大久保美来:小学5年生)のために作曲。大久保美来ちゃんは、ヴァイオリン演奏用の特殊な義手の先に弓を装着し、見事にヴァイオリンを弾きこなします。
『弦楽四重奏曲』
弦楽四重奏曲第1番は、いわゆる不協和音や変拍子など現代音楽的な要素を躊躇せず用いている(非常に効果的!)ものの、全体としては調性音楽の大枠からは外れていない音楽。第2番は、哀しみのメロディーを核とするゆったりとした楽想が大半を占める楽曲です。クラシック音楽に馴染みのないリスナーの方々にも訴求する力をもった作品。
【収録曲目】
1.無伴奏ヴァイオリンのためのシャコンヌ
2.ヴァイオリンのためのソナチネ
3.弦楽四重奏曲 第1番
4.弦楽四重奏曲 第2番
※すべて世界初録音
【演奏】
大谷康子(ヴァイオリン)
藤井一興(ピアノ)
大谷康子弦楽四重奏団
[大谷康子(第1ヴァイオリン)、田尻順(第2ヴァイオリン)、青木篤子(ヴィオラ)、西谷牧人(チェロ)]
【録音】
2011年9月24~26日、武蔵村山市民会館さくらホール
【作品年譜】
2008年9月1日、広島厚生年金会館ホールにて世界初演(第1楽章と第3楽章)秋山和慶指揮、広島交響楽団 (※)
2008年、広島市民表彰(市民賞)を受ける。
2009年、芥川作曲賞の選考過程で審査員である三枝成彰が推すも最終候補とならなかった。
2010年4月4日、東京芸術劇場(広島初演版による改訂版の第1楽章と第3楽章)大友直人指揮、東京交響楽団
2010年8月14日、京都コンサートホール 全曲初演 秋山和慶指揮、京都市交響楽団
(※)「G8議長サミット記念コンサート~ヒロシマのメッセージを世界に~」
【佐村河内守(さむらごうち まもる 1963年9月21日- )】
被爆者を両親として広島に生まれる。4歳から母親よりピアノの英才教育を受け、10歳でベートーヴェンやバッハを弾きこなし「もう教えることはない」と母親から告げられ、以降、作曲家を志望。中高生時代は音楽求道に邁進し、楽式論、和声法、対位法、楽器法、管弦楽法などを独学。17歳のとき、原因不明の偏頭痛や聴覚障害を発症。高校卒業後は、現代音楽の作曲法を嫌って音楽大学には進まず、独学で作曲を学ぶ。
1988年、ロック歌手として誘いを受けたが、弟の不慮の事故死を理由に辞退。聴力の低下を隠しながらの困難な生活が続く中、映画『秋桜』、ゲーム『バイオハザード』等の音楽を手掛ける。1999年、ゲームソフト『鬼武者』の音楽「交響組曲ライジング・サン」で脚光を浴びるが、この作品に着手する直前に完全に聴力を失い全聾となっていた。抑鬱神経症、不安神経症、常にボイラー室に閉じ込められているかのような轟音が頭に鳴り止まない頭鳴症、耳鳴り発作、重度の腱鞘炎などに苦しみつつ、絶対音感を頼りに作曲を続ける。
2000年、それまでに書き上げた12番までの交響曲を全て破棄し、全聾以降あえて一から新たに交響曲の作曲を開始。同年から障害児のための施設にてボランティアでピアノを教える。この施設の女児の一人は、交響曲第1番の作曲にあたり佐村河内に霊感を与え、この作品の被献呈者となった。2003年秋、『交響曲第1番《HIROSHIMA》』を完成。