不世出の名トランペット奏者、モーリス・アンドレ氏が亡くなられました
フランスの名トランペット奏者、モーリス・アンドレ氏が、去る2月25日、仏南西部バイヨンヌの病院で死去されました。享年78歳でした。心よりご冥福をお祈り致します。
モーリス・アンドレ氏は、パリ音楽院を経てフランス国立放送管弦楽団などで活躍。ジュネーブやミュンヘンの国際コンクールで優勝。バロックから現代音楽まで、そのレパートリーは幅広く、トランペットという楽器における演奏表現を広げる事に大いに貢献されました。
『Maurice Andre Edition Vol.1~4』
20~21世紀を代表するフランスのトランペット奏者、モーリス・アンドレ(1933年~2012年)。父親の友人にトランペットの手ほどきを受け、パリ音楽院では、トランペットで首席、卒業の翌年、パリ国際音楽コンクールで優勝。その後、1955年のジュネーヴ国際音楽コンクール、1963年のミュンヘン国際音楽コンクールで優勝。煌びやかで流麗な美しい演奏は高く評価され、膨大な数の録音を残しています。結果として、作品の再評価に繋がったトランペットのための作品も多く、このカテゴリーにおける貢献度の高さは比類のないもの。中でもフランスが誇るメジャー・レーベル、エラートへの録音は、正に代表的なものですが、トランペット以外の楽器のための作品を編曲したものなども多く、その音源的価値も絶大。シリーズ化された、コチラの第1集~第4集においても、その多岐にわたる収録内容に驚かされますが、いずれも正に模範となる名演奏として、不朽の価値を持っています。