トニー・シュート31年振りの来日公演迫る!名作『Island Nights』を披露
甘酸っぱい感傷を音にしたためるAOR系シンガー・ソングライター、トニー・シュートが、間もなく31年ぶりの来日を果たす。しかもその内容は、彼のデビュー・アルバムにして、AOR名盤の誉れ高い『ISLAND NIGHTS』を完全再現すると言うから、当時からのファンはもちろん、フリーソウル以降の再評価世代も放っておけない。地元バルティモアで準備に勤しむトニーを電話でキャッチし、直前インタビューを試みた。
■----『ISLAND NIGHTS』という作品は、あなたにとってどのような作品ですか?
トニー:『ISLAND NIGHTS』は、アーティスト・作曲者である自分にとって、若い頃の最高点といえるものだ。あの当時に作り溜めてあった曲たちを、1枚のアルバムの“コンセプト”として繋ぎあわせた作品だよ。僕にとってとても特別なアルバムで、この作品が一番成功した日本とリンクするキッカケになったんだ
■----- 収録曲の中で、ご自分のフェイヴァリット・ソングをいくつかを挙げて下さい。またその理由は?
トニー:う~ん、君が人の親だったら、一番好きな子供を選ぶことなんてできるかい?(笑) それと同じで、とても難しい質問だよ。「Cafe L.A」、「Street Dancer」、「Butterfly」に「Angel」…。ワォ! 聴くと作曲した当時の自分を思い出すので、すべての曲を選びたいぐらいだ
■---- 30年前の日本公演について、どんなことが記憶に残っていますか?
トニー:僕が人生で初めてのコンサートは、11歳の時に観たビートルズなんだ。自分が日本へ行った時は、そんな熱狂を思い出してしまったよ。女の子たちがリムジンを追いかけてきたり、花束をもらったり、大阪ではお客さんたちがステージに詰め寄ってきたんだ。駅やコンサート会場の近くでは、自分のポスターがたくさん貼ってあったな。
■---- 間もなくスタートする日本公演では『ISLAND NIGHTS』を再現するそうですね。どのようなステージになりますか?
トニー:どんなコンサートになるかって? 僕にとっては夢みたいな出来事だよ! 日本に戻ることを何度も夢に見てきたんだ。だから緊張していると同時に、とてもエキサイトしている。どんな状況になるか、本当に想像がつかないな。みんな覚えてくれているのかな? それとも、単純に、過去のアーティストがナイトクラブでライヴをするだけと思われているのかな? ひとつ僕から言えるのは、僕は当時と同じように今もアルバムを作ったり、ライヴをしているということ。そのすべてを皆さんにお見せするのが、楽しみで仕方がないんだ。
■---- 『ISLAND NIGHTS』以外の楽曲も演奏するのですか?
トニー:もし幸運なことにアンコールが貰えたなら、それに応えるアイデアはいろいろある。リトル・リヴァー・バンドやプレイヤーとは何年も一緒に活動していたから、彼らのヒット曲「Baby Come Back」や「Reminiscing」が歌えるし、僕のセカンドに用意した「Be My Radio」を歌う手もある。自分一人でピアノの弾き語りをするのも考えているよ。それに、新しいCDの曲をバンドで演奏してもいい。
■---- 来日メンバーを教えて下さい。それぞれ、どんなキャリアの人たちでしょうか。
トニー:ゲイリー・グリフィン(keys)は僕の親友で、31年前に日本で行なわれたAmerican Music Festivalでも一緒に演奏してくれた。彼はビーチ・ボーイズやブライアン・ウィルソン、ジャン&ディーンとプレイした経験があるんだ。サックスのトミー・アルヴァラード はラスベガス出身で、フランキー・ヴァリ&ザ・フォー・シーズンズやジョー・コッカー、バリー・ホワイト、ジェイムス・ブラウンなど、実に多くのアーティストと演奏してきた。実は彼とは日本で初めて一緒にプレイするんだ(笑) ボビー・ピータースとジョン・コールは、まさに僕のエンジンのようなリズム・コンビ。みんな素晴らしいプレイヤーたちで、彼らのようなミュージシャンと一緒に演奏することができて、とてもラッキーだと思っているよ。
■---- ライヴ・レコーディングの計画があると聞いています。
トニー:東京でコンサートの映像を撮りたいね!まだ決まってないけど。最初は少し荒削りな部分があるかも知れないが、だんだん良い感じになっていくはずだよ!
■---- 最近の活動状況を教えて下さい。
トニー:楽器関係の仕事をしながら、作曲、レコーディング、ライヴ活動を続けているんだ。今は『UNDER THE RADAR』という作品の完成に力を入れていて、これは『ISLAND NIGHTS』のようにとてもパーソナルなアルバムになる。すべての曲が、僕の人生のストーリーを語っているんだよ。できれば、日本のコンサートで販売できるように持って行きたいんだけどね。
■---- 久し振りに日本を訪れるに当たって、行きたいところ、したいこと、食べたいものなどありますか?
トニー:いろいろあるけど、今度の来日はあまりにも短くてね。本当はもっと日本でゆっくりしたいよ! 富士山とか美しいビーチ、歴史的な場所を観てみたい。今回の来日が成功して、また来られるようになるといいな、と思っているんだけどね。それに日本の料理が大好きなので、火鉢で焼いた肉、とくに神戸牛が食べたいな。もちろん寿司は大好きだ。
■---- では最後に、ライヴを待ち詫びている日本のファンにひと言。
トニー:みんなとまた会えるのがとても楽しみだよ!世界の他の国の人たちが気づかなかった僕の音楽を、日本のみんなが見つけてくれた。それがどれだけ嬉しかったか、分かるかい? リトル・リヴァー・バンドやプレイヤー、エリック・カルメン、リック・アシュトリーなんかと世界をツアーしたけど、日本へ戻る悦びには代えられないね。日本と日本のファンは、僕の心の近い場所にあるんだ。
そんな熱い思いが籠った、31年ぶりの日本公演。マンハッタンの夜を歌った『Island Nights』が、いま東京の夜をどう彩るのか、楽しみでならない。(text by 金澤 寿和)
トニー・シュート来日公演
東京・丸の内 ライブ・レストラン COTTON CLUB
2012年8月16日(木)
open 6:30pm / start 8:00pm
※8月16日のみ1日1ショウとなります。
2012年8月17日(金)
[1st.show] open 5:00pm / start 6:30pm
[2nd.show] open 8:00pm / start 9:00pm
2012年8月18日(土)、19日(日)
[1st.show] open 4:00pm / start 5:00pm
[2nd.show] open 6:30pm / start 8:00pm
【メンバー】
Tony Sciuto (vo、g)、Tommy Alvarado (sax、perc)、Gary Griffin (keys)、Bobby Peters (b)、John Coale (ds)
詳しくはこちら⇒COTTON CLUB(外部サイト)
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