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1976年アカデミー賞歌曲賞・編曲賞受賞のスコア初音盤化『ウディ・ガスリー わが心のふるさと』

ウディ・ガスリーわが心のふるさと

アカデミー賞の最優秀作曲賞を受賞しつつも、その映画のサウンドトラック盤は、発売されていないという例が、時に発生する。例えば、近年まで2009年の受賞作、マイケル・ジアッチーノの『カールじいさんの空飛ぶ家』は、2011年6月まで、ダウンロード販売のみのリリースでした。現在でも、1988年のデイヴ・グルーシン『ミラグロ』は発売されていません。

そして、1971年から1983年まで歌曲・編曲賞(1980年,1981年は該当賞なし)という賞が設定されていました。オリジナル・スコアとは別に、既成曲を編曲した仕事に与えられる賞です。この場合、歌は、既成曲(例えば1979年のラルフ・バーンズによる『オール・ザット・ジャズ』)の場合や、その映画のための新曲(例えば1983年のミシェル・ルグラン、アラン&マリリン・バーグマンによる『愛のイエントル』)の場合と、共に対象となっていました。

そんな中で、1976年の音楽賞です。作曲賞(オリジナル・スコア)は、ジェリー・ゴールドスミスの『オーメン』が受賞(他にノミネートはバーナード・ハーマン『愛のメモリー』『タクシー・ドライバー』、ジェリー・フィールディング『アウトロー』、ラロ・シフリン『さすらいの航海』)。

そして歌曲・編曲賞はレナード・ローゼンマンの『ウディ・ガスリー わが心のふるさと』が受賞(他にノミネートはポール・ウィリアムス『ダウンタウン物語』、ロジャー・ケラウェイ『スター誕生』)しました。そして、この時に『ウディ・ガスリー わが心のふるさと』のサウンドトラック盤は発売されたのですが、なにぶん、アメリカの伝説のフォーク・シンガーの伝記映画のため、ガスリーによる歌を収録したアルバムとなり、ローゼンマンのオリジナル・スコアの部分は、ほんの一部だけ収録している形でした。

今回のイントラーダからのフルCD化は、LPリリースのあった、上記ガスリーの歌のアルバムを収録し、その後(15曲目以降)にローゼンマンのスコア21分強が初収録となる。
映画は、ボブ・ディランなどにも影響を与えたフォーク・シンガーの祖ともいえるウディ・ガスリーの自伝”BOUND FOR GLORY”を『ハロルドとモード 少年は虹を渡る』『さらば冬のかもめ』など、独特の詩情をあふれさせた名匠ハル・アシュビー監督が映画化した作品。改めて見ると、アシュビー監督作そのものが、サウンドトラック盤発売が珍しいのですね。いずれも、もしリリースあれば興味津々な作品ばかりなだけに、各レーベルに今後も期待するばかりではあります。

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2012年09月26日 14:08