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心にしみるエイナウディのピアノとアース・ウインド&ファイアー!『最強のふたり』

最強のふたり

日本でも、多くの観客を感動させている、新しいタイプのフランス映画『最強のふたり』。脊髄損傷のため、首から下が動かせず、車椅子の生活を余儀なくされた大富豪の男は、自分を特別扱いしない、という理由で、スラム街に住む黒人青年を介護役として雇うのだが・・・

これまでも、人間ドラマの小品を制作してきたエリック・トレダノとオリヴィエ・ナカシュのコンビ監督。実話をもとに長年温めてきた物語をついに映画化、一見、ありがちな感動モノは、コメディとして作りすぎることをせず、あくまで現実的な言動の延長線上の演出で、一味違う、丁寧に作られたヒューマン・ドラマに仕上がった。

観るものを独特の感情にいざなった理由のひとつに、使用された音楽にあった。笑いが絶えないコメディのようでいながら、彼らの心情の奥を表現するかのように、静かに哀しげなピアノ曲が選曲され、ここぞ、とばかりの印象的なシーンで、黒人青年は、富豪にアース・ウインド&ファイアーを聴かせたのであった。

ニューエイジ・シーンでは注目され、イタリアで映画音楽も数本手がけているピアニストにしてコンポーザーのルドウィコ・エイナウディの繊細な音源の数々。まるで、今回の映画のためのオリジナル・スコアのように寄り添うが、すでに発表されていた曲たちである。

そして、印象的に流され、すでにディスコの名曲として周知されていながらも、新しい意味が加わったことを認めずにはいられない、アース・ウインド&ファイアーの「セプテンバー」と「ブギー・ワンダーランド」。 映画に感動された方はもちろん、これから、という方の予習的にも楽しめる一枚。さらに興味を深めたい方には、エイナウディの諸作にも触れていただきたい。

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2012年09月26日 17:59