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ハンス・ジマーの初期傑作『ブラック・レイン』スコアCD化

ブラック・レイン70年代80年代、そして近年のSF、サスペンス映画、そしてゲーム・ミュージックへの目配せが密なアメリカのララランド・レコーズが、『ブラック・レイン』サウンドトラック2枚組をリリース。公開当時にヴァージン・レコーズから発売され、同じ曲数で同レーベルよりCD化はありつつも、ハンス・ジマーによるスコアは、約20分にまとめられた「組曲」としての収録のみだったため、オリジナル・スコアについて、大幅に増曲された盤での登場であります。

マイケル・ダグラスとアンディ・ガルシア演じる刑事たちが、松田優作演じる犯人を大阪に護送時に逃してしまう。そして、2人のアメリカの刑事は、大阪という迷宮にさまようことになる・・・・

リドリー・スコット監督が、この7年前に撮ったSFの金字塔『ブレードランナー』の舞台の発想の故郷といえる大阪で、その夜景を写しこんでの、SF世界的ハードボイルド刑事アクション。

音楽は、ハンス・ジマー。イギリスでの仕事が世界的にとどろき、ハリウッドに進出しての初仕事『レインマン』が評判をとっていた頃のジマー。当時31歳。その後、大作を多く手がけるきっかけを作ったのが、このリドリー・スコットの『ブラック・レイン』であり、リドリー自身とも、『テルマ&ルイーズ』『グラディエイター』『ハンニバル』と、当時の最強タッグ的な興奮の仕事を生み出していくことになる。

『ブラック・レイン』でジマーが創造したサウンドは、冷ややかでパーカッシヴなシンセ・サウンドをベースに、哀しげなメロディ、勇ましいサウンドなど、その後のジマーの代表作となっていく諸作のかけらを思わせるエッセンスを聞かせながら、クールに盛り上げていく。冷ややかで幻想的なシンセの世界による、その雰囲気も、『ブレードランナー』のヴァンゲリスのサウンドのムードを引き継いでいるかのようにも聞こえる。

今回の盤の構成は、2枚組。すでにリリースされていたヴァージン盤と同内容にあたる構成の音源も、2枚目に収録されている。

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2012年10月11日 16:48