アルフレッド・ニューマンのハリウッド名作『慕情』『七年目の浮気』サントラCD化
今や、シーンを確立している「サウンドトラック名作音盤化」ですが、なかなか進まないのが、人間ドラマ、もしくはラブストーリー(この時代の作品なので「恋愛映画」という表記でもよいかもしれません)の名作サントラ音盤化。
そこで、朗報が参りました。数々の人間ドラマをロマンティックに盛り上げた、映画音楽の王道の醍醐味的作曲家のアルフレッド・ニューマンの、映画ファンには説明不要な名作2作を、ミュージカルへの熱心なアプローチから、古きよきハリウッド映画音源のサントラCD化へも移行してきたクリッツァーランド・レコーズが取り上げます。
第二次大戦直後の香港で、夫を戦争でなくしている女医と、アメリカからの特派員との恋、彼にも妻がいたが・・・壮大でスペクタクルな情景をバックに繰り広げられる大人の恋愛悲劇。アルフレッド・ニューマンがドラマティックなスコアで盛り上げる『慕情』。主演は、 『終着駅』で人気実力ともにトップ女優の風格となったジェニファー・ジョーンズと勇壮な戦争映画から、ロマンティックなメロドラマまで器用にこなした大スター、ウィリアム・ホールデン。監督は30年代に黄金期を迎えていたヴェテラン巨匠ヘンリー・キング。
そして、ラスト5曲には、スコアの音盤化は初となる、いわずと知れたマリリン・モンロー主演の人気作のひとつ『七年目の浮気』から収録。アパート階上に住む美女との想像を逞しくしていく男の艶笑劇。そのブロンド美女がマリリン・モンロー、主人公の男は、原作となったブロードウェイ舞台劇でも同じ役を務めていたトム・イーウェル。監督はハリウッドを代表する名匠のビリー・ワイルダー。こちらは、コミカルな世界を聴かせるアルフレッド・ニューマン。
ビリー・ワイルダーのフィルモグラフィーを例えば眺めると、『第十七捕虜収容所』『麗しのサブリナ』『情婦』『昼下りの情事』そして『フロント・ページ』など、まだまだ、サントラのCD化が進んでいないことがわかる。今後も、今回のような、歴史的名作のタイトルがなされていくことを願うばかりです。
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2012年11月09日 17:41