邦題決定『イノセント・ガーデン』パク・チャヌク+クリント・マンセルの危険な新作
『オールド・ボーイ』『親切なクムジャさん』『渇き』など、独自の残酷な美しさを追求してきた韓国の鬼才、パク・チャヌク監督がついに、ハリウッド進出。
邦題『イノセント・ガーデン』と決定した本作。オリジナル・タイトル“STOKER”は、主人公たちの名前である。主人公となる少女の名前はインディア・ストーカー。父が謎の死を遂げ、母イヴリン・ストーカーは、新しい男・チャールズと再婚する。一見、インディアがイヴリンとチャールズのふたりにおののくのかと想像すれば、三人の関係は、変化していく・・・
インディア役はミア・ワシコウスカ、イヴリン役はニコール・キッドマン、そしてチャールズ役はマシュー・グード。あのハーモニー・コリン!やジュディス・ゴドレーシュなども顔を見せる。
脚本は、ウェントワース・ミラー。『プリズン・ブレイク』で主役マイケル・スコフィールドを演じた、あの人である。なんと本作が脚本家デビュー作。『セクレタリー』『クロエ』などのエリン・クレシダ・ウィルソンが協力している。撮影は、チャヌク班からチョン・ジョンフンが同行。予告編を見る限りでは、不思議な緑色を発する画面が、ハリウッドにはない質感の画像を作り出している。
製作は、フォックス・サーチライトと、『エンド・オブ・ザ・ワールド』『ムーンライズ・キングダム』『ヤングアダルト』など、近年の注目の異色作を次々世に問うているインディアン・ペイントブラッシュ。そしてリドリー・スコットのスコット・フリー・プロダクションズも参加。
という、ユニークに妖しく美しいサスペンスの世界を彩る音楽は、クリント・マンセル。アロノフスキーの衝撃のデビュー作『π』(1998)以来、マンセルも、独特の余韻を残しまくる妖しい世界を音でつむぎ続けてきた。サントラ発売は、マンセル作品は『恋と愛の測り方』もリリースしている老舗のミラン。近年は、新鋭の発掘にも積極的なレーベルとなっており、老舗らしからぬ攻撃性を見せている。
ある意味、アロノフスキーの甘いダークさも通ずるところがあるかもしれないパク・チャヌクの危険きわまりない世界。ハリウッドの中で、ひょっとしたら、もっともそのテイストが理解できるコンポーザーかもしれない。
ちなみに、クリント・マンセルの近作、2014年のアロノフスキーの新作"Noah”、アーヴィン・ウェルシュの原作をジョン・S・バードが映画化し、ジェームズ・マカヴォイが主演する”Filth”が待機している。
『イノセント・ガーデン』は、2013年5月31日よりTOHOシネマズシャンテ、シネマカリテほか全国ロードショー
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2013年02月22日 18:14