巨匠指揮者、ヴォルフガング・サヴァリッシュ氏、逝去
ドイツの巨匠指揮者の一人、ヴォルフガング・サヴァリッシュ氏が、去る2月22日に亡くなられました。
享年89歳でした。心よりご冥福をお祈りいたします。
ヴォルフガング・サヴァリッシュ[Wolfgang Sawallisch;1923年8月26日~2013年2月22日]は、ドイツ、バイエルン州ミュンヘン生まれ。ドイツ、オーストリア音楽を代表する名指揮者。また、優れたピアニストでもあり、伴奏を務めた録音も有名です。
1953年にアーヘン、1958年にヴィースバーデン、1960年にケルンの歌劇場の音楽総監督に就任。1957年には、わずか33歳でバイロイト音楽祭初出演を果たしています。
オーケストラの音楽監督としても、ウィーンSOやハンブルク・フィル、スイス・ロマンド管首席指揮者を歴任。1971年からはバイエルン国立歌劇場の音楽監督に就任、“R.シュトラウス全オペラ作品上演”、“ワーグナーの「指環」”など、多大なる成果を残しました。
リッカルド・ムーティの後任としてフィラデルフィア管の音楽監督に就任した際も大きな話題となっています。
フィラ管のポスト退任後は特定のポストには就かずフリーの指揮者として活動、2006年に事実上、現役引退を表明しています。
サヴァリッシュは生粋のドイツ的指揮者で、ドイツ、オーストリア系クラシック音楽の第一人者として、重厚で堅固な音楽を聴かせてくれました。
日本では、N響での指揮(NHK交響楽団桂冠名誉指揮者)などにより、多くのファンに深い感銘を与えてきました。
数多く残された録音は、巨匠の足跡を辿る上で、貴重な遺産と言えるでしょう。