カラヤン、ウィーン国立歌劇場での《ドン・カルロ》1979年ライヴ&小澤征爾、ウィーン国立歌劇場音楽監督就任前の《エルナーニ》
カラヤン、ウィーン国立歌劇場での「ドン・カルロ」ライヴ!
蔵出音源 完全初出 これがヴェルディ・イヤーの大トリだ!!!
ヴェルディ・イヤーの最後にORFEOが凄い音源を出してきました! カラヤン指揮の「ドン・カルロ」、しかもウィーン国立歌劇場でのライヴです! カラヤンは1977年5月にウィーン国立歌劇場に復帰すると、1980年までの4年間、5月に同劇場に出演、ザルツブルク音楽祭のプロダクションを歌手ごと持ってくる形で豪華な上演を行っていました。ヴェルディの「ドン・カルロ」は、カラヤン自身の演出で、ザルツブルク音楽祭で1975―1978年毎夏上演されたプロダクションで、全盛期のカラヤンの極めて完成度の高い上演として知られるもの。ウィーン国立歌劇場では1979、1980年と上演され、これは1979年5月6日初日のライヴです。カラヤンは1978年9月に「ドン・カルロ」をEMIに録音しており、ホセ・カレーラスのカルロ、ミレッラ・フレーニのエリザベッタ、ピエロ・カップッチッリのロドリーゴ、アグネス・バルツァのエボリ公女は共通。しかしさすがライヴ、歌手はずっと伸び伸び歌っており、ことにカレーラスのひたむきで情熱的な歌はこちらの方がずっと胸に迫ってきます。また録音では真面目にまとめがちなカップッチッリも、あり余る声を劇場中に満たして圧倒的。一方、フィリッポはルッジェーロ・ライモンディ。ライモンディの同役は、若い頃の録音(EMI、ジュリーニ指揮)とフランス語歌唱の録音(DG、アバド指揮)しかありませんでした。当時37歳のライモンディ、この上なく美しく魅惑的なフィリッポを歌っています。対するマッティ・サルミネンが北方的巨声で冷酷な大審問官を歌い、両者の激突はかなり壮絶なもの。さらに端役にはエディタ・グルベローヴァやトーマス・モーザーが出演しているという贅沢。特筆すべきはウィーンのオーケストラ。実はザルツブルク音楽祭での上演では常にウィーン・フィルが起用されていたのに、EMI録音と1986年3月のザルツブルク復活祭音楽祭での上演ではベルリン・フィルに替わり、響きが著しくドイツ風に傾いてしまいました。ここでのウィーン国立歌劇場管弦楽団は、さすがウィーン・フィルの母体、カラヤンの重厚な音楽作りを受けても決してシンフォニックにならず、劇場感覚豊かな演奏で「ドン・カルロ」を大いに盛り上げてくれます。ORF音源を使用、上々のステレオ録音で、劇場の興奮ごとお楽しみください! (キングインターナショナル)
ヴェルディ:「ドン・カルロ」(改訂4幕版)
【演奏】ホセ・カレーラス(T ドン・カルロ) ミレッラ・フレーニ(S エリザベッタ) ルッジェーロ・ライモンディ(Bs フィリッポ2世) ピエロ・カップッチッリ(Br ロドリーゴ) アグネス・バルツァ(Ms エボリ公女) マッティ・サルミネン(Bs 大審問官) ルイージ・ローニ(Bs 修道士) マリョン・ランブリクス(S テバルド) エヴァルト・アイヒベルガー(T レルマ伯爵) トーマス・モーザー(T 国王の布告者) エディタ・グルベローヴァ(S 天の声)
ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)ウィーン国立歌劇場管弦楽団,合唱団
【録音】1979年5月6日、ウィーン
構成数 | 3枚 合計収録時間 | 02:51:48 録音 | ステレオ(Live)
小澤征爾のヴェルディ!
ウィーン国立歌劇場音楽監督就任前の「エルナーニ」
シコフ、クライダー、アルヴァレス、スカンディウッツィと豪華キャスト!
小澤征爾はご存知の通り2002年から2010年までウィーン国立歌劇場の音楽監督を務めましたが、その就任の少し前に同劇場に出演して好評を獲た「エルナーニ」のライヴ録音が登場しました。「エルナーニ」は1870年代にはウィーン国立歌劇場の人気演目で、その後も1925年まで散発的に上演がありましたが、それを最後に上演が途絶えてしまいました。73年ぶりの上演とあってウィーン国立歌劇場は力を入れました。12月という重要な時期に新演出(グレアム・ヴィック)でお披露目。タイトルロールには、情熱的で破滅的人物を歌わせたら天下一のニール・シコフ。難役エルヴィーラには、「ナブッコ」のアビガイッレでも楽々歌いこなせるミシェル・クライダーと二人の実力の高い米国人歌手を起用、国王ドン・カルロには、1990年代半ばに急速に国際的評判を高めていたカルロス・アルヴァレスを、シルヴァにはこの役を得意とするロベルト・スカンディウッツィを起用、ツボを押さえた配役になっています。そして指揮者は、イタリア人マエストロでもウィーンの常連指揮者でもなく、小澤征爾を起用。小澤がウィーン国立歌劇場の新制作上演の指揮を任されるのはこれが初めてのことでした。小澤ならではの活気のある音楽によって若き日のヴェルディの傑作が新鮮味を取り戻し、上演の成功に大きく寄与しました。小澤はこの後、ウィーンに限らずヴェルディのオペラはあまり指揮していませんので、小澤のヴェルディというだけでも貴重です。ORFによるデジタル収録で、音の状態も上々です。(キングインターナショナル)
ヴェルディ:「エルナーニ」
【演奏】ニール・シコフ(T エルナーニ) ミシェル・クライダー(S エルヴィーラ) カルロス・アルヴァレス(Br ドン・カルロ) ロベルト・スカンディウッツィ(Bs シルヴァ) リリアーナ・チューカ(S ジョヴァンナ) ベネディクト・コーベル(T ドン・リッカルド) アイク・マルティロシャン(Bs ヤーゴ)
小澤征爾(指揮)ウィーン国立歌劇場管弦楽団、合唱団
【録音】1998年12月11日
構成数 | 2枚 録音 | ステレオ・デジタル・ライヴ
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2013年12月26日 16:55