プログレ感覚の前衛的で壮大な響き P.ヤルヴィ/トゥール:交響曲第7番&ピアノ協奏曲
エストニアを代表する作曲家の一人であるエリッキ=スヴェン・トゥールの作品集。タリン音楽学校でフルートとパーカッションを学んだ後、タリン音楽アカデミーでヤーン・ラーツから作曲を学んでいます。同じ時期にロック・グループを率いて活動し、エストニアの人気バンドの一つになったことも特筆すべき点でしょう。やがて彼は作曲に専念し、数多くの作品を世に送り出します。若い頃に傾倒したプログレ・ロックの雰囲気を残しながらも、バリバリの前衛の響きを有する彼の音楽は世界中で幅広い人気を博しており、ここで指揮をしているパーヴォ・ヤルヴィもこの魅力にとりつかれている一人として知られています。第5番の交響曲ではエレキ・ギターまでをも駆使していましたが、今回の第7番は「ダライ・ラマ14世に捧げる」との副題の通り、合唱を用いた荘厳なもの。トゥールの多彩な作風も窺い知ることができる話題作です。
エリッキ=スヴェン・トゥール(1959~):
① ピアノ協奏曲 (2006)
② 交響曲第7番 (2009)
パーヴォ・ヤルヴィ(指揮), ラウラ・ミッコラ(P:①)
フランクフルト放送交響楽団, 北ドイツ放送合唱団(②)
【録音】2009~2010年、フランクフルト
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2014年01月28日 18:30