NHK名演奏家幻のライヴ・シリーズ第4弾! ケンプ、ボレット、シフラ、アニー・フィッシャー
NHKが収録した世界的な大ピアニストたちの来日公演シリーズ、いずれも高い評価を頂いておりますが、今回はNHK交響楽団との共演を中心としたラインナップ。注目はウィルヘルム・ケンプが1965年に来日した際のモーツァルトの「ピアノ協奏曲第24番」。鮮明なステレオ録音で、しかもライヴ。最盛期ケンプの脂ののりきった至芸を堪能できます。また「元祖超絶技巧」シフラの初来日時の衝撃演奏、オトナの芸風で人気のボレット最後の輝きなど、演奏も素晴らしいうえ歴史的価値も高く、絶対に持っていたくなるラインナップばかり。来日時のインタビューも含む解説書も充実。ご期待下さい。※アニー・フィッシャーのCDのみ曲目変更がありました。下記ご参照いただければ幸いです。(2月10日更新)
何とステレオ。ケンプ1965年のモーツァルト、驚異的名演が日の目をみた(KKC2085 ステレオ)
ウィルヘルム・ケンプ3度目の1965年の来日公演で、アレクサンダー・ルンプフ指揮NHK交響楽団とモーツァルトのピアノ協奏曲第24番を演奏しました。それが当時のNHKラジオ番組「立体音楽堂」用にステレオ収録された音源が残されていました。これがケンプの息遣いまで生々しく伝わってくるような鮮明さ。緊迫感と激しさに満ちた短調のモーツァルトの世界を描くケンプの音色が見事の一言に尽きる至芸。技術、音楽性ともに当時絶頂にあったケンプの神業を真に味わえます。1967年、4度目の来日の際に、外山雄三指揮でベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲演奏を行ないましたが、「皇帝」の音源が残っていました。これも堂々とした名演で、全曲を一気に聴かせてしまう魔力に満ちています。
①モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番ハ短調K.491【1965年6月8日/東京文化会館(ライヴ)】
②ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番変ホ長調「皇帝」Op.73【1967年11月3日/東京文化会館(ライヴ)】
ウィルヘルム・ケンプ(ピアノ)
アレクサンダー・ルンプフ①、外山雄三②(指)NHK交響楽団
最晩年のボレットがNHK交響楽団を圧倒したラフマニノフ(KKC2086 ステレオ)
超絶技巧に裏付けられた大柄な演奏、コクのある音色と表現でオトナのピアノ芸術を味あわせてくれた名人ホルヘ・ボレット。彼が体調不良で演奏活動から離れる直前、最後の輝きを放つ貴重な音源がNHKに所蔵されていました。ボレットによる同曲録音には、イヴァン・フィッシャー&LSOのセッション録音、1969年のインディアナ大学管弦楽団とのライヴが存在しますが、このN響との演奏は音の良さとライヴならではの高潮感がどちらにも優るとも劣らぬ水準。悠然たるテンポ、味わい深い響の落着いた演奏でこの大作を制服。圧倒的存在感を示しています。
①ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番ニ短調Op.30
②ショパン:ノクターン第5番嬰ヘ長調Op.15の2
ホルヘ・ボレット(ピアノ)
デーヴィッド・アサートン指揮NHK交響楽団
[録音:1988年11月9日/NHKホール(ライヴ)】
人間業を超えた超絶技巧。シフラ初来日時の貴重な記録(KKC2087 モノーラル)
元祖超絶技巧系ピアニスト、ジョルジュ・シフラ。その曲芸まがいの技巧誇示とアクの強い演奏で、当時賛否両論を巻き起こしましたが、今日の目からみても技術は驚異的で、得難い魅力に満ちた演奏家だったと申せましょう。彼が初来日したのは1964年で、その際に東京文化会館で行なったリサイタルをNHKが収録していました。彼としては意外に珍しいショパン名作集と、得意のリスト作品から成りますが、いずれも驚くべきオーラに満ちた世界を創り上げています。そのなかでも「ハンガリー狂詩曲第6番」と「半音階的大ギャロップ」は人間業とは思えぬ凄さで、これほどまでに興奮させられるピアノ
芸術は稀と申せましょう。
ショパン:幻想曲ヘ短調Op.49/スケルツォ第2番変ロ短調Op.31/華麗な大ワルツOp.18/華麗なワルツOp.34の3/バラード第4番Op.52/ポロネーズ第6番「英雄」Op.53
リスト:スペイン狂詩曲/愛の夢第3番/ポロネーズ第2番/ハンガリー狂詩曲第6番/半音階的大ギャロップ
ジョルジュ・シフラ(ピアノ)
[録音:1964年4月23日/東京文化会館(ライヴ)】
祝生誕百年、アニー・フィッシャーの協奏曲集(KKC2088/89 ステレオ)
今年2014年に生誕百年を迎えるハンガリー出身の名女流アニー・フィッシャー。彼女は1980年以来、亡くなる前年の1994年まで数回日本を訪れています。ここではNHK交響楽団と共演した協奏曲3篇を初リリース。いずれも70歳頃の演奏ですが、エネルギーと気迫に満ちた演奏ぶりに感動させられます。クレンペラーとの名盤で知られるシューマン、フリッチャイとの名盤で知られるベートーヴェンの第3番も違いを味わえます。かのリヒテルも尊敬したというアニー・フィッシャーの芸術を存分に味わえます。※当初予定されていました「ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲」はアニー・フィッシャーの演奏でないことが判明しました。アルバムから除外し、2枚組1枚価格に変更しての販売となります。(2月10日更新)
CD1
①シューマン:ピアノ協奏曲イ短調Op.54
【1985年10月18日/NHKホール(ライヴ);クリストフ・ペリック(指)】
②ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番ハ短調Op.37
【1987年10月16日/NHKホール(ライヴ);ミルディアス・カリーディス(指)】
CD2
①モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番変ホ長調K.482
【1983年6月22日/NHKホール(ライヴ);フェルディナント・ライトナー(指)】
アニー・フィッシャー(ピアノ)、NHK交響楽団