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2014年3月、新国立劇場公演で話題を呼んだコルンゴルトの傑作オペラ《死の都》

新国立劇場の《死の都》
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オペラ《死の都》の魅力とは…
「ドイツのプッチーニ」の異名をとったコルンゴルト(1897~1957)
戦前のドイツやオーストリアで、コルンゴルトは「ドイツのプッチーニ」と呼ばれていました。聴く者の胸を打つ、甘美なメロディーを生み出す才能を持っており、大きな人気を博していました。コルンドルトは早熟の天才で、《死の都》はわずか22歳のときに作曲したもの。しかもその前に2つのオペラを作曲して大成功を収め、プッチーニ本人に絶賛されました。その後、ミュージカルや映画音楽を手掛けるようになり、ウィーンとハリウッドを往復する生活を送ります。ところが1938年、ナチスによりオーストリアがドイツに併合されると、ユダヤ系だったコルンゴルトはアメリカに亡命。映画音楽でアカデミー賞を得るなど活躍します。戦後、クラシックの作曲家としてウィーンへ戻りますが、戦前のブームは去っており、傷心のコルンゴルトはハリウッドに帰ります。そして1957年、脳溢血のため60年の生涯を閉じました。

誰しも共感できるストーリーと、親しみやすいメロディーをもつ《死の都》
主人公は最愛の妻マリーを失ったパウル。マリーを忘れられないパウルは、彼女によく似た若く美しいダンサー、マリエッタと出会います。マリエッタはパウルの興味を引くために、魅惑的な歌や踊りを披露します(有名なアリア「マリエッタの歌」)。マリーとマリエッタの間で揺れ動くパウルは、遂にマリエッタを殺してしまいます。すると夜は開け、パウルは全てが夢だったことに気づきます。妻の死の悲しみを乗り越え、自らは生き続けようと決意します。
このように、《死の都》に描かれるのは、悲しみを克服していく主人公の姿です。人生における愛する人の死は、誰しも経験することであり、誰しも共感できることと思います。そして、このストーリーをコルンゴルトのこの上なく美しい音楽が彩ってゆきます。

おすすめCD
《死の都》全曲(日本語歌詞対訳付き)ラインスドルフ指揮
1975年録音の当アルバムは、ネブレット、コロ、プライといった1970年代のスター歌手を揃え、ウィーンの巨匠ラインスドルフの緻密を極めるアプローチにより、このオペラの復活を決定づけた記念碑的な名盤です。
パウル:ルネ・コロ(テノール)
マリエッタ/マリー:キャロル・ネブレット(ソプラノ)
フランク:ベンジャミン・ラクソン(バリトン)
ブリギッタ:ローゼ・ヴァーゲマン(メッゾ・ソプラノ)
フリッツ:ヘルマン・プライ(バリトン)
ユリエッテ:ガブリエーレ・フックス(ソプラノ)
リュシエンヌ:パトリシア・クラーク(ソプラノ)
ガストン/ヴィクトリン:アントン・デ・リッター(テノール)
アルバート伯爵:ヴィリー・ブロックマイヤー(テノール)
ミュンヘン放送管弦楽団・バイエルン放送合唱団
テルツ少年合唱団
指揮エーリヒ・ラインスドルフ
[録音:1975年6月、ミュンヘン、バイエルン放送局コンサートホール]
歌詞対訳=荒井秀直
解説(72ページ)=下記の初出LP解説の翻訳を掲載:
クリストファー・パーマー「作曲家コルンゴルト――その波瀾に満ちた生涯」「コルンゴルトと歌劇《死の都》」、
エーリヒ・ヴォルフガング・コルンゴルト「《死の都》の物語」、
マリア・イェリッツァ「マリエッタ=マリー役の難しさ」、
チャールズ・ゲルハルト「《死の都》完全全曲版の世界初録音」

おすすめDVD
《死の都》全曲(日本語字幕付き)フィンランド国立歌劇場2010年収録
今回の新国立劇場公演と同じ演出の映像作品であり、感動の再現や復習にぴったりのDVDです。加えて主役二人には、今やドイツを代表する人気テノール歌手となったフォークト、歌唱も演技も美貌も申し分のないソプラノ、ニルンドが起用されているのも嬉しいろころです。
パウル:クラウス・フローリアン・フォークト(テノール)
マリエッタ/マリー:カミッラ・ニルンド(ソプラノ)
フランク/フリッツ:マルクス・アイヒェ(バリトン)
ブリギッタ:サーリ・ヌードクヴィスト(メッゾ・ソプラノ)
ユリエッテ:カイサ・ランタ(ソプラノ)
リュシエンヌ:メリス・ヤーティネン(ソプラノ)
ヴィクトリン:ペル=ホーカン・プレヒト(テノール)
ガストン:アンッティ・ニエミネン(テノール)
フィンランド国立歌劇場管弦楽団
フィンランド国立歌劇場合唱団&児童合唱団
指揮ミッコ・フランク
演出カスパー・ホルテン
[収録:2010年11月、ヘルシンキ、フィンランド国立歌劇場(ライヴ)]

カテゴリ : ニュース

掲載: 2014年02月22日 10:30

更新: 2014年03月25日 13:00