9.モーリス・ラヴェル~「LFJ2014」10人の作曲家
毎年、恒例となりました「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン『熱狂の日』音楽祭」。2014年のテーマは10回記念「祝祭の日~Jours de Fêtes~」。
10人の作曲家たちが10回目を祝うパーティに集まる、ことをルネ・マルタンはまず考えました。そして付けられたのが「Jours de Fêtes(ジュール・ド・フェット)」というタイトル。「Fêtes」は「Festival=祝祭」を意味し、「Jours」は「La Folle Journée」の「Journée」と同じく「日」を意味します。
これは、フランスの映画監督・俳優であるジャック・タチのコメディ映画「Jour de Fête(邦題:のんき大将脱線の巻)」から引用したもの。コミカルで、観ると幸せになるイメージをルネはそこに重ねたのです。1949年の公開当時、本作はモノクロ上映でしたが、実はフランス最初の長編色彩映画として撮影されていました。その革新性も、ルネ・マルタンを刺激したのかもしれません。また、フランスで若者が「フェット(Fête)しよう」と使うときは「パーティしてはじけよう」という意味があります。
10回目を迎える「熱狂の日」。ぜひ一緒にフェットしましょう!(東京国際フォーラム)
ルネ・マルタンが紹介する10人の作曲家たち 9
官能美と色彩を見事にあやつる天才芸術家
モーリス・ラヴェル
フランスの天才芸術家!だと断言してしまいましょう。同じ時代を生きたドビュッシーと共に印象派絵画の影響も受けていますので、聴きやすいと感じる方も多いと思います。彼がパリで活躍した19世紀末から20世紀にかけては、さまざまな芸術が花開いた素晴らしい時代でした。官能的で色彩の美にあふれた彼の音楽は、私たちをその場へと連れて行ってくれます。「ボレロ」ほかのオーケストラ曲や美しいピアノ曲など、彼の手にかかればすべてが美しい工芸品になると言えるでしょう。ドビュッシーやストラヴィンスキーなどの友人もいましたが、彼が連れてきてくれたのは作曲の先生だったフォーレ。さてラヴェルは師匠から何を受け継いだのでしょうね。
演奏される曲目
ラヴェル:ボレロ
同:ピアノ協奏曲ト長調
同:スペイン狂詩曲
同:マ・メール・ロワ
同:ラ・ヴァルス
同:亡き王女のためのパヴァーヌ
同:鏡
同:弦楽四重奏曲ヘ長調
同:序奏とアレグロ、ほか
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掲載: 2014年02月24日 19:00