クーベリック生誕100年記念 1962年の貴重な《青ひげ公の城》ルツェルン・ライヴ!
クーベリックは生誕100年の記念すべき年にドイツ「audite」レーベルの好評シリーズ、ルツェルン・フェスティヴァル・シリーズ最新盤として、完全初出音源となるバルトーク『青ひげ公の城』がリリースされます。フィッシャー=ディースカウ、ゼーフリートという充実の歌手陣にも注目!
クーベリックとルツェルン音楽祭
クーベリックがルツェルン音楽祭に初登場したのは1948年8月28日でした(この演奏会の数週間前、チェコの共産化に反対したクーベリックは、同年のエディンバラ音楽祭へ参加するために渡英、そのままイギリスへと亡命しました)。以後、クーベリックは1990年までの間、実に25回ルツェルン音楽祭に出演し、同音楽祭には欠かすこの出来ない、そしてクーベリックにとっても非常に重要な演奏会となりました。なお、1962年の当ライヴ録音は当初、フェレンツ・フリッチャイが指揮することになっていましたが、病に倒れたフリッチャイに代わりクーベリックが指揮をし、当演奏会は大成功となりました。
クーベリックによる貴重な『青ひげ公の城』の録音
クーベリックはバルトークの作品である、管弦楽のための協奏曲や弦、打楽器とチェレスタのための音楽などのオーケストラ作品は頻繁に演奏・録音をしてきましたが、この『青ひげ公の城』は記録によると、1962年5 月17,18日のバイエルン放送交響楽団(ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ&ヘルタ・テッパー)、同年の当ライヴ、そして、1981年3月27日のニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団(ジークムント・ニムスゲルン&タティアナ・トロヤノス)のみのようで、当ライヴは非常に貴重な録音と言えます。しかし、当ライヴでは青ひげを幾度となく披露し、録音数も多いフィッシャー=ディースカウが、ユーディトは名ソプラノ歌手のイルムガルト・ゼーフリートがそれぞれ担当していることからもわかる通り、当時最高のキャストによる『青ひげ公の城』は極上のライヴとなりました。スタジオ録音とは違うクーベリックらしい熱気に満ちた演奏をお楽しみください。
オペラ『青ひげ公の城』について
バルトーク唯一のオペラ『青ひげ公の城』は、青ひげとその新妻ユーディトという、わずかにふたりの登場人物と、大編成の管弦楽によって繰り広げられる激烈なるドラマ。シャルル・ペローの童話集『マ・メール・ロワ』の一篇を題材にしながら、シュールで象徴的な内容を孕んだ台本を手掛けたのは、バルトークとの名コンビで知られるベラ・バラージュ。血塗られた狂気の物語は進みます。「わたしを愛しているなら鍵を渡し、城の7つある扉の向こうのすべてを見せて」とせがむユーディト。これに対して、何も訊かずにただ愛して欲しいと求める青ひげ。やがて、ついにユーディトが過去の3人の女性とともに自らも第7の扉のなかに消えてゆくショッキングなラストまで、緊迫したやりとりが見せ場となっています。
バルトーク:歌劇『青ひげ公の城』 Op.11, Sz.48(歌唱:ドイツ語)
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br 青ひげ)
イルムガルト・ゼーフリート(S ユーディト)
ルツェルン祝祭管弦楽団(スイス祝祭管弦楽団)
ラファエル・クーベリック(指揮)
【録音】1962年8月15日、ルツェルン・フェスティヴァル、モノラル・ライヴ
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2014年03月25日 19:32