ショルティ充実期のベートーヴェン《ミサ・ソレムニス》 7千人の聴衆を前にしたBBCプロムス・ライヴ!
ベートーヴェン晩年の傑作、ミサ・ソレムニス(1770-1827)は親交のあったルドルフ大公が大司教に就任する際、そのお祝いとして書き始められたのですが、書いているうちに構想が大きくなり、納得の行く作品として完成するまでに5年を要し、結局は就任式に間に合わなかったというものです。曲自体は、伝統的なカトリックの精神に、自身の信念を加えた壮大なものであるがため、却ってあまり演奏される機会を持たない「特異なミサ曲」として認知されています。この録音はショルティのLPOにおける最後のシーズン中、BBCプロムスのライヴであり、この緊張感に満ちた演奏は1950年代初頭にLPOと録音したベートーヴェン:交響曲第4番(DECCA)とも違う、壮大で情熱的な気迫に満ちています。荘厳ミサ曲については、シカゴ交響楽団(1978)とベルリン・フィル(1994)の録音が存在しますが、このLPOとの演奏は、最高の独唱陣と(特にキリエでのヘデン・ドナートの名唱が素晴らしい)素晴らしい合唱が一体となったテンションの高いもの。もう少しクリアな録音であったら・・・と悔やまれる部分もありますが、それを補って余りある悠然たる記録であることは間違いありません。(ナクソス・ジャパン)
ベートーヴェン:ミサ・ソレムニス
1.キリエ/2.グローリア/3.クレド/4.サンクトゥス/5.アニュス・デイ
演奏: ヘレン・ドナート(ソプラノ)/ドリス・ゾッフェル(メゾ・ソプラノ)/ジークフリート・イェルサレム(テノール)/ハンス・ゾーティン(バス)/エディンバラ祝祭合唱団/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団/ゲオルク・ショルティ(指揮)
録音 1982年9月10日 ロンドン・ロイヤル・アルバート・ホール ライヴ録音
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2014年05月15日 18:30