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ケルメスとジュノー、古楽界で今最も熱い二人の歌手が共演した《ライヴァル・クイーンズ》

ライヴァル・クイーンズ

ジモーネ・ケルメスとヴィヴィカ・ジュノー、古楽界で今最も熱い二人の歌手が共演したエキサイティングなアルバムの登場です。18世紀に活躍した名歌手にしてその歌の技をお互いに競い合った、フランチェスカ・クッツォーニとファウスティナ・ボルドーニのために書かれた華麗なアリアや二重唱が満載されたオペラ・ファン必聴のアルバムです。
クッツォーニとボルドーニの2人はそれぞれ当時のオペラ界を席巻していた人気ソプラノで、“最高のライヴァル”とみなされていましたが、そのライヴァル関係は、ついに1727年6月、ロンドンのヘイマーケット劇場におけるボノンチーノの歌劇『アスティアナッテ』(このアルバムにもアリアを1曲収録)の上演の際、舞台上でつかみあいの喧嘩にまで発展し、大きなスキャンダルとして報じられました。この歴史に残る二人のライヴァルを21世紀の今、歌合戦形式で競わせようというのが今作のコンセプトです。
クッツォーニをジモーネ・ケルメスが、そしてボルドーニをヴィヴィカ・ジュノーが演じ、さすがにヘッドドレスの掴み合いまではしませんが、2人のプリマドンナは、相手を牽制しあいながら、技術と表現力を駆使して、最高の歌唱を披露するのです。この時歌われたであろうこれらのオペラ、今ではほとんど聞く機会のないものですが、これらのアリアはベルカント物とは全く違う魅力を持つものばかり。歌合戦の内情を知らずとも、1巻のバロック・オペラ・アルバムとしても存分にお楽しみいただけます。
ジモーネ・ケルメスは、ライプツィヒで学んだ後、様々な国際コンクールで賞を受賞。1996年からドイツの歌劇場を中心に活動を本格的に開始し、やがて古楽から前期ロマン派までのピリオド・アプローチによるレパートリーを中心に活躍、その歌声とドラマティックな表情表現で絶賛をあびています。またドイツ・ハルモニア・ムンディとソニークラシカルを中心に様々なレーベルで録音を行い多数の賞を受賞しており、最近ではドイツ・ハルモニア・ムンディの『Colorid'Amore:88697789202』で、2011年度エコー・クラシック最優秀賞女声歌手部門で受賞しています。
また、サポートを務めるのはチェリストのソル・ガベッタの兄であるアンドレス・ガベッタ。アンドレスはスイス・バロック・ソロイスツのリーダーなどを務めるバロック・ヴァイオリン奏者で、音楽への開放的なアプローチと驚くべき妙技など、非常に高い評価を得ている奏者です。彼のために集まったヨーロッパの優秀なピリオド楽器奏者で結成されたアンサンブル「カペラ・ガベッタ」は、フレッシュな感性と情熱的な表現だけでなく、叙情性と歌心にもあふれた魅力的な仕上がりとなっています。
ヴィヴィカ・ジュノーは、超絶テクニックと驚異の声域の広さで、カストラートの再現に成功したといわれるアラスカ出身のメゾ・ソプラノ。テクニックだけでなく上品で叙情豊かな深い表現は絶品です。録音場所は、リヒャルト・シュトラウスが最晩年を過ごした場所として知られるガルミッシュ・パルテンキルヘンのさらに奥の、オーストリア国境に近いエルマウ城のコンサートホールで行われました。美しい響きをお楽しみいただくことが出来ます。
【収録予定曲】①ジュゼッペ・アレーナ(1713-1784):歌劇『皇帝ティトの慈悲』~「Come potesti, oh dio」/②ジョヴァンニ・バッティスタ・ボノンチーニ(1670-1747):歌劇『アスティアナッテ』~「Spera che questo cor」/③ヨハン・アドルフ・ハッセ(1699-1783):歌劇『クレオフィーデ』~「Se mai più sarò geloso」/④ジェミニアーノ・ジャコメッリ(1692-1740):歌劇『カルタゴ・ノヴァのスキピオ』~「Villanella nube estiva/⑤ドメニコ・サッロ(1679-1744):歌劇『ルキウス・ウェルス』~「Al valor di Borea armato」/⑥ヨハン・アドルフ・ハッセ(1699-1783):歌劇『アルタセルセ』~「Va' tra le selve ircane」/⑦レオナルド・ヴィンチ(1690-1730):歌劇『トーリードのイフィジェニア』~「L'onda chiara che dal fonte」/⑧ニコラ・ポルポラ(1686-1768):歌劇『エリザ』~Nobil onda/⑨アッティリオ・アリオスティ(1666-1729):歌劇『ルキウス・ウェルス』~「Vorreste o mie pupille」/⑩ニコラ・ポルポラ(1686-1768):歌劇『ナクソス島のアリアンナ』~In amoroso petto/⑪ジョヴァンニ・バッティスタ・ボノンチーニ(1670-1747):歌劇『アスティアナッテ』~「Svenalo, traditor」/⑫ヨハン・アドルフ・ハッセ(1699-1783):歌劇『イッシピーレ』~「Impallidisce in campo」/⑬レオナルド・レーオ(1694-1744):歌劇『認められたシロ』~「Benchél'augel s'asconda」/⑭アントニオ・ポッラローロ(1676-1746):歌劇『独裁者ルキウス・パピルス』~「Padre amoroso」/⑮ヨハン・アドルフ・ハッセ(1699-1783):歌劇『アルタセルセ』~「Tu vuoi ch'io viva o cara」
【演奏】ジモーネ・ケルメス(Sp:①③④⑥⑧⑩⑪⑬⑮), ヴィヴィカ・ジュノー(Ms:②③⑤⑦⑨⑩⑫⑭⑮)、アンドレアス・ガベッタ(Vn&指揮) カペラ・ガベッタ(ピリオド楽器オーケストラ)
【録音】2014年1月, ドイツ、エルマウ城(デジタル)

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2014年05月23日 18:30