『エレニの帰郷』テオ・アンゲロプロスの遺作がブルーレイ/DVD化
巨匠テオ・アンゲロプロスの突然の訃報が伝わったのは、2012年の1月。
壮大な物語を三部作に分けて製作する「20世紀三部作」の三作目を製作中の事故であった。「20世紀三部作」の三作目「THE OTHER SEA」は、幻の作品となった。
日本では三部作の一作目である『エレニの旅』が2005年4月に公開されていた。完成はされていた2作目「TRILOGIA II: I SKONI TOU HRONOU (THE DUST OF TIME)」がアンゲロプロス自身の手で完成された作品としての遺作となった。
その、アンゲロプロスの遺作が『エレニの帰郷』として、完成から6年後に、ついに日本で公開されることとなったのである。母エレニの物語を映画化しようとする、映画監督である息子、そして物語は1953年のソ連へと導かれ、エレニの悲しい物語が語られていく。
ウィレム・デフォー、ブルーノ・ガンツ、イレーネ・ジャコブ、ミシェル・ピコリといった、世界中の名優たちが参加。『エレニの旅』も撮影したアンドレアス・シナノスのあまりにも美しい映像、アンゲロプロス作品を音楽面で支え続けたエレニ・カラインドルーの語りかけるようなサウンドは、まさしく、アンゲロプロス映画でしか味わえない感動を呼び起こす。
なお、テオ・アンゲロプロス監督作『エレニの旅』『旅芸人の記録』『霧の中の風景』のDVDが同日7月11日に、『永遠と一日』『ユリシーズの瞳』『アレクサンダー大王』『こうのとり、たちずさんで』が8月8日に、『シテール島への船出』『狩人』『蜂の旅人』が9月12日に発売される。