Akira Kosemuraのデビュー・アルバムが再プレス
オーストラリアの音響レーベルROOM40傘下に誕生したアヴァン・ポップ系レーベルSOMEONE GOODの第1弾として、2007年にリリースされそAkira Kosemuraのデビュー・アルバム『It’s on Everything』。その後2012年に新たなトラックリスト(オリジナル収録曲からは1曲無くなり、新たに3曲追加)+リマスタリング+デジパック仕様でリイシューされた人気盤が再プレス。ピアノをメインに、様々なアコースティック楽器と繊細なエレクトロニクス~フィールド・レコーディングが、ミニマルながらも最高に美しく溶け合っているインスト・エレクトロニカ作品。うっとりとまどろみを覚えるような心地良いサウンドは、ジャケットの夕暮れ時の公園の写真のように、親しみやすさや暖かさに溢れていて、日常の中にもはっとするような美しい瞬間があることを気づかせてくれます。
<アーティスト本人によるアルバム解説(※2012年再発当時のコメント)>
今回の再発の話というのは、一年ほど前にプロデューサーのローレンス・イングリッシュからの提案で立ち上がりました。それ以降、時間を見つけては古いプロジェクトファイルを掘り起こし、2006年制作当時の録音の断片を聴き返すことから始めました。制作していた当時から時間も経っていたので、当時は没にしていた断片もいま聴き返すととても新鮮で、実は今回のヴァージョンによって日の目を見ることになった曲というのが三曲あります。その三曲を踏まえてアルバム全体を再構成した結果、元々のオリジナル盤に収録されていた一曲(冒頭の曲のショートヴァージョン)を今回は除外することになりました。さらにすべての楽曲についても、細かい調整に加えて再度ミックス作業とマスタリング 作業を施しています。新しく録音をした曲というのはないので、作品の雰囲気はオリジナル盤の持つそれそのままだと思いますが、2006年当時の自分の音楽ともう一度、今度は客観的に向き合うことで、当時の自分では汲み上げられなかった楽曲を今回こうして活かせたことは、とても有意義なことだったと思います。ローレンス・イングリッシュによるリマスタリングによって、この作品がさらに高いクオリティーを得ることができたことにもとても感謝しています。(小瀬村 晶)