レコード芸術特選盤! エルフェの弾くブーレーズ:ピアノ・ソナタ第2番
エルフェによる精緻な演奏! フランス現代音楽界の「忘れられた名演」を復刻。日本初発売・世界初CD化。レコード芸術2014年8月号で特選盤を獲得しました。
「エルフェの脂の乗り切った時期の演奏だ。ブーレーズのこの難曲を実に易々とこなしている。録音は今日ほど良いとはいえないが、エルフェの見事な演奏の迫力は十分に伝わって来る。(略)第4楽章の緩急自在な演奏は目を見張るばかりだ」
佐野光司氏評より
「ブーレーズの信頼篤かったエルフェは、新ウィーン楽派に関する戦後のフランスでの紹介者でもあった(略)実に表情豊かな、ソフト・タッチの(あくまでもポリーニと比べてだが)、ニュアンスたっぷりで、極度に構造を意識させない演奏で、(注:ポリーニとの)技術的落差は感じられない」
長木誠司氏評より
第2次大戦後現代音楽の主流として歩んだフランス。その活動の原資となったのが、現代音楽の理解者たる演奏家の存在でした。中でもピアノの部門で急先鋒となったのがクロード・エルフェ(1922年6月18日~2004年10月27日)その人です。数多くの新作を初演し、著名な作品を献呈された彼が、(1969年)当時現代音楽を積極的に取り上げていたドイツ・グラモフォン(DG)へ録音する事は必然であったとも言えます。録音されたのは、時代の寵児として既に人気を確立していたブーレーズの傑作ピアノ曲「ピアノ・ソナタ第2番」と、現代音楽の源流、ベルクのピアノ・ソナタ第1番でした。
現代的な俯瞰視点を基調にしながらも、いかなる現代音楽でも歌えれば弾けるという持論を展開した氏らしい洒脱で熱を帯びた演奏を繰り広げ、その素晴らしさは十分名盤の誉れを受けるレベルのものでした。しかし残念なことに、この録音の同時期DGがポリーニの同内容録音が録音・販売されたことから評価が付かずに現在に至っています。今回の復刻は本来なら評価されるべき演奏に光を当てる点からも、非常に重要な復刻となりました。日本未発売、世界初CD化の超貴重音源の復刻です。(タワーレコード)
【曲目】
1. ピエール・ブーレーズ(b.1925): ピアノ・ソナタ 第2番
2. アルバン・ベルク(1885-1935): ピアノ・ソナタ 作品1
【演奏】
クロード・エルフェ(ピアノ)
【録音】
1969年10月17-20日、ミュンヘン、プレナールザール
【原盤】
Deutsche Grammophon
カテゴリ : タワーレコード オリジナル企画 タワー限定 ニュース
掲載: 2014年07月22日 12:00