バイバ・スクリデ描く極彩色の愛の世界~シマノフスキ:ヴァイオリン協奏曲集

注目のバイバ・スクリデOrfeoレーベル第4弾はシマノフスキのヴァイオリン協奏曲、それもペトレンコとの初共演という話題のアルバムです。両者が昨年9月にBBCプロムスで披露して以来、各国で弾いて評判となっているだけにCDリリースは大歓迎。シマノフスキはポーランド近代の大作曲家ながら、育ちの点からロシア音楽の影響を、血筋の関係から北欧的な感性も兼ね備えているため、ラトヴィア人のスクリデとロシア人のペトレンコにうってつけの作品と申せましょう。
シマノフスキは2篇のヴァイオリン協奏曲を残していますが、第1番はシマノフスキが作風を確立させた中期を代表する作品。大編成のオーケストラによる精緻を極めた作曲技法によりますが、交響曲第3番「夜の歌」やピアノ・ソナタ第3番と同傾向な極彩色の妄想の世界にひたれます。一方第2番はシマノフスキ最後の大作。ポーランドの民俗音楽の要素を採り入れた作風で、両曲の味わいはかなり異なります。
スクリデの演奏は冴えに冴え、これまでリリースした協奏曲アルバム中ベストといえる凄さ。第1番では高音域が多用される独奏部を非現実的な美しさで再現。超絶的なカデンツァはとりわけ圧巻。曖昧さのない正確な技巧に感嘆させられます。第2番では躍動感あふれるエネルギー全開で、リズムのノリの良さも最高。
ペトレンコはほとんど交響曲のような充実ぶり。細部まで計算されたスコアを絶妙なバランスで響かせ、延々と続く官能の世界を持続させます。難解なイメージのあるシマノフスキの音楽ですが、めくるめく色彩とハープやチェレスタのキラキラした音響に聴き惚れさせられます。オスロ・フィルのひんやりとした音色もシマノフスキの音楽にピッタリ。
カップリングはヴァイオリンとピアノのための「神話」。妹のラウマがピアノ・パートを受け持っているのも魅力。女性たちならではの感性で、シマノフスキの描く愛の世界を再現しています。
(キングインターナショナル)
【収録曲】
シマノフスキ:
1.ヴァイオリン協奏曲第1番 Op.35
2.ヴァイオリン協奏曲第2番 Op.61
3.神話Op.30(全3曲)
【演奏】
バイバ・スクリデ(ヴァイオリン)
ワシーリー・ペトレンコ(指揮)
オスロ・フィル
ラウマ・スクリデ(ピアノ)(3)
【録音】
2013年2月14、15日 オスロ・コンサート・ホール(1,2)
2013年6月16日 イエス・キリスト教会(3)
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2014年11月06日 15:10