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ウィーンで活躍したリリック・ソプラノ、イルムガルト・ゼーフリートの名盤が豪エロクアンスより復刻!

イルムガルト・ゼーフリートの芸術
ウィーンで活躍したリリック・ソプラノ、イルムガルト・ゼーフリート(1919~1988)がドイツ・グラモフォンに残した名録音の数々が、オーストラリア・エロクアンスより11枚のCDとなって復活します。しかも、歌曲を中心に今回初CD化となる録音が含まれています。一枚一枚がライバルで親友だったシュヴァルツコップによるコメント「彼女は心の底から歌う方法を知っていました。私たちが苦労して達成するものを彼女は既に持っていて、私はとても羨ましかったのです」を証明してくれることでしょう。2014年3月にオルフェオから発売された『イルムガルト・ゼーフリート録音集 1944-67年』も併せてご紹介いたします。(タワーレコード)
イルムガルト・ゼーフリート
プロフィール
1919年10月9日、ドイツのケンゲトリート生まれのソプラノ歌手。88年11月24日、ウィーンにて没。アウグスブルク音楽院で学んだのち、当時カラヤンが音楽監督を務めていたアーヘン歌劇場でデビューを飾る。43年からウィーン国立歌劇場に所属し、シュワルツコップ、ギューデンと並び「ウィーンの三名花」と謳われた。モーツァルトやR.シュトラウスの作品を得意とし、ザルツブルク、スカラ座、メトロポリタンなどの歌劇場を中心に、オペラ歌手として世界的に活躍した。一方、ドイツ・リートや現代歌曲の歌手としても知られ、また、名ヴァイオリニストのシュナイダーハンとのおしどり夫婦ぶりも有名であった。2012/07/30 (2013/08/19更新) (音楽出版社)

第1集 オペラ・アリア集+レスピーギ《夕暮れ》1952~60年録音
聴衆を魅了し続けた最良の歌唱
イルムガルト・ゼーフリート(1919-1989)が亡くなった時、良きライヴァルであったシュヴァルツコップはこんなコメントを残しました。「彼女は心の底から歌う方法を知っていました。私たちが苦労して達成するものを彼女は既に持っていて、私はとても羨ましかったのです。」美しい姿と存在感、そしてキラリと光る声。彼女は30年間に渡って聴衆を魅了し続けました。このアルバムでは、彼女の最良の歌唱が凝縮されたモーツァルト、ヘンデル、ベートーヴェン、そして珍しいレスピーギ(基本的にはメゾ・ソプラノのレパートリーである「夕暮れ」)などが収録されています。

第2集 オペラ・アリア集 1958~65年録音
ヴィオラの音色のような深い美しさ
ゼーフリートの第2集は、ドイツ語訳によるトマのミニョンからのアリアや、ロルツィングの「密猟者」からのアリアなど、珍しいレパートリーを含むものです。彼女の声はまるでヴィオラの音色のような深い美しさを持ち、芳醇な香りを放っています。このアムバムの大部分を占めるものは、ベームが指揮した「ばらの騎士」での彼女のオクタヴィアンの歌唱で、この独特な存在感と情熱的な歌唱は、素晴らしい評判をとったものです。

第3集 モーツァルト&ライヴ・レコーディング集 1953&57年録音
非凡な才能をじっくりと味わえる名唱
20歳の時にカラヤンに見い出され、アイーダの巫女役でデビューしたゼーフリートは1943年にウィーン国立歌劇場でマイスタージンガーのエヴァを歌い、1976年までモーツァルトとリヒャルト・シュトラウス歌手としてこの歌劇場に所属し、「ウィーンの三名花」と評されました。このアルバムには得意としたモーツァルトはもちろんのこと、珍しいムソルグスキーやバルトークまでもが含まれ、彼女の非凡な才能をじっくりと味わうことができる一枚です。

第4集 シューベルト, シューマン, ベートーヴェン, コルネリウス/歌曲集 1952、57、62年録音
このアルバムは彼女が得意としたシューベルトを中心としたドイツ歌曲集です。コルネリウスの「クリスマスの歌」など、彼女自身が楽しんで歌ったというこれらの歌曲は、聴き手にとっても素晴らしい贈り物になることでしょう。内8曲は初CD化というのも嬉しいところです(シューベルト「吹き通うものの気配は」「ああ、湿っぽいお前の羽ばたきが」「野ばら」「トゥーレの王」「ガニュメート」「糸を紡ぐグレートヒェン」、ベートーヴェン「寂しさの喜び」、シューマン「メアリー・スチュアート女王の詩」)。

第5集  シューベルト/歌曲集(22曲) 1958&62年録音
自発性に富み、美しく表情豊かな声をもつゼーフリートの飾らない歌を楽しむには、シューベルトの一連の歌曲が最もふさわしいかもしれません。例えば「万霊節の日のための連梼」でのシンプルな繰り返しの中に潜む深い情念や、グレートヒェンの歌曲で見せるあどけない表情などにその非凡な才能が窺えます。22曲中15曲が初CD化です(商品ページをご確認ください)。

第6集 シューマン, ブラームス/歌曲集(26曲) 1956、52、58年録音
彼女の良き伴奏者であったエリック・ヴェルパとの共演による伸びやかなシューマンとブラームス。素直な表現と気取らない魅力に溢れた素晴らしいリサイタルが収録されています。共感あふれる清楚なシューマン、暖かなブラームス、そしてドイツ民謡での彼女の歌唱は、とてもさりげなくシンプルなものですが、これが曲調にぴったりあって素晴らしい効果をあげています。 26曲中10曲が初CD化です(商品ページをご確認ください)。

第7集 ゼーフリート&フレンズ、ブラームスを歌う 1962年録音
彼女の幅広いレパートリーの中でも、とりわけ親密な雰囲気を味わえるのが、このブラームスのワルツ「愛の歌」でしょう。1952年のエジンバラ・フェスティヴァルでは、キャスリーン・フェリアやユリウス・パツァークらと同じ曲を歌い絶賛を博しましたが、こちらはもう少し肩の力が抜けたスタジオ録音であり、いつもは渋い表情のブラームスもにっこりと笑っているかのような柔和な演奏となっています。また「ドイツ民謡集」のこなれた歌い口も魅力的です。

第8集 ヴォルフ, R.シュトラウス/歌曲集(40曲) 1953、57、58年録音
イルムガルト・ゼーフリートの魅力を探るシリーズの第8集。ヴォルフ自身が「自分自身の作品の中で、最も完成度が高い」と評したとされる「イタリア歌曲集」からの抜粋を中心に、いくつかの他の歌曲とリヒャルト・シュトラウスの歌曲を合わせたアルバム。劇的な表情を持つヴォルフと、「子守歌」やセレナード」をはじめとした、比較的優しい表情を持つシュトラウスのコントラストがとても美しい調和をみせています。 40曲中11曲が初CD化です(商品ページをご確認ください)。

第9集 ヴォルフ, ヒンデミット, レーガー/歌曲集(30曲) 1958、52年録音
ヴォルフの「イタリア歌曲集」を中心に、ヒンデミットとレーガーの歌曲を収録した1枚。ヒンデミットの作品は、1941年と1944年に作曲されたもので、1952年にゼーフリートが初の商業的録音を行ったもの。レーガーの「マリアの子守歌」は、アンコールピースとして彼女が愛唱していた作品です。

第10集 ヴォルフ、エック/歌曲集(27曲) 1959&60年録音
宗教的な内容を持つ歌曲と、世俗的な内容を持つ歌曲が入り混じったヴォルフの「スペイン歌曲集」。当然、各々の曲を歌い分けるのは高い表現力が必要です。そして心理的描写が巧みな「メーリケ歌曲集」からの抜粋を中心に、とても珍しいヴェルナー・エックの「4つのカンツォーナ」を収録。エックは、代表作に歌劇「検察官」などがあるドイツの現代作曲家で、言葉に対して独特の感性を持つ人として知られています。 「メーリケ歌曲集」以外は初CD化です。

第11集 バッハ、ハイドン、グノー/宗教作品集 1955~65年録音
ゼーフリートの神髄ともいえる、宗教作品集からの抜粋です。比類なき名演として知られるリヒター指揮のバッハ「マタイ受難曲」を始め、「結婚カンタータ」、ハイドンの「天地創造」、グノーの「聖チェチーリアの荘厳ミサ曲」からの名曲が集められています。彼女の人気がなぜ衰えることがないのかの答えがここにあると言っても過言ではないでしょう。神々しいまでの声の芸術です。

オルフェオ 初出音源を含むゼーフリート録音集 1944~67年録音
このボックスにはデビュー翌年44年のエヴァ役が収録されているのをはじめ、彼女の十八番であったモーツァルトのオペラの数々のアリアも収録されており、ゼーフリートの魅力がたっぷり味わえる内容となっています。[CD3][CD4] の歌曲集は初出音源ということで、注目です。ムソルグスキーでの慈愛に満ちた声から、「さくらんぼの実る頃」の優しい表情、コスマの珠玉の曲まで、様々な魅力がつまった貴重なボックスセットです。リートでピアニストを務めているエリック・ウェルバは、シュライアー、クリスタ・ルートヴィヒ、ニコライ・ゲッダなど錚々たる歌手陣とも共演を重ねた、名ピアニストです。

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2014年11月14日 15:00