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雰囲気豊かな疑似ステレオ盤が廃盤復活! フルトヴェングラーの伝説的名演「バイロイトの第9」

フルトヴェングラーの疑似ステレオ「第9」

“疑似ステレオ版”のオープンリール・テープから復刻したフルトヴェングラーの1951年7月「バイロイトの第九」が廃盤復活します。
疑似ステレオとは
20世紀を代表する巨匠、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(1886~1954)の録音は、すべてステレオLPが開発される1958年以前のもので、商業録音に関してはモノラル録音しか残されませんでした。1960年代にステレオLPが全盛期を迎えたとき、フルトヴェングラーの音源を所有する各レコード会社は、彼のモノラル録音のステレオ化を試みました。中央に集中するモノラルの音像を電気的に処理し、今日でいうサラウンドのような拡がりをもたせたものでした。EMI系の音源は、巨匠没後10年の1964年にドイツ・エレクトローラ社が「ブライト・クランク」と名付けた方式でステレオ化しました。このようなステレオを本来のステレオを区別するために「疑似ステレオ」と呼んでいます。(タワーレコード)
制作者より
疑似ステレオ版によるオープンリール・テープ(4トラック、19センチ)復刻第2弾です。フルトヴェングラーの主要な録音はドイツ・エレクトローラ社のブライト・クランクによって疑似ステレオ化され、特にLP時代は広く普及していました。そのシリーズ中でもこの〈バイロイトの第九〉は、疑似ステレオの出来栄えとしてはそれほど良くないと言われていました。しかし、このオープンリールの音は解き放たれたかのような広がりがあり、今後、この疑似ステレオ版に対する評価が大きく変わってくる可能性があります。
解説書の内容
周知のように、2007年以来この第9には同じ日付の別音源が存在します。その内容についてはこれまでに様々な意見が出されていますが、結論はいまだに出ていません。そこで、制作者自らがその周辺の事情を洗い直し、注意深く検証しています。
(以上、平林 直哉)
【収録曲目】
ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調作品125「合唱」
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指揮) バイロイト祝祭管弦楽団、同合唱団
エリーザベト・シュワルツコップ(ソプラノ) エリーザベト・ヘンゲン(アルト)
ハンス・ホップ(テノール) オットー・エーデルマン(バス)
録音:1951年7月29日、フェストシュピールハウス、バイロイト
使用音源:EMI(Japan)AXA3044(オープンリール・テープ、4トラック、19センチ)
録音方式:疑似ステレオ(ライヴ)

こちらはグランドスラム、フルトヴェングラー復刻2015年1月20日発売のベートーヴェン:交響曲第6番『田園』&第1番。

フルトヴェングラーがEMI(HMV)に残した主要録音は1960年代に疑似ステレオ化されましたが、その中でも最も出来が良いと言われたのがベートーヴェンの交響曲第1番と第6番「田園」です。この2曲を第4番+第5番(GS2119)に続いて4トラック、19センチのオープンリール・テープより復刻しました。このふっくらと広がりのある再生音は、ウィーン・フィルの艶やかな音色と、ムジークフェラインザールの優れた響きにぴったりで、オリジナルのモノーラルとは異なった魅力で味わえます。解説書にはエルヴィン・ミッターク著『ウィーン・フィルの歴史から』より、フルトヴェングラーに関する記述を訳して掲載しました。ここでは、フルトヴェングラーとウィーン・フィルとが共演し始めた頃の状況が詳しく述べられています。(平林直哉)

カテゴリ : ニュース

掲載: 2014年11月27日 16:00

更新: 2015年01月23日 20:00