カラヤンが1964年9月モスクワのボリショイ劇場引越し公演を振った貴重音源登場!~ヴェルディ:レクイエム
ミラノ・スカラ座は、1964年9月冷戦の最中、モスクワのボリショイ劇場で引越し公演を行いました。この演奏旅行に際してスカラ座は万全の体制で挑んでいます。歌手はミレッラ・フレーニ、レナータ・スコット、レオティン・プライス、カルロ・ベルゴンツィといった面々さらにカラヤンも同行し、西側の文化特使としての存在感をみせました。
カラヤンはこの引越し公演で、プッチーニの「ラ・ボエーム」を4回とヴェルディの「レクイエム」を2回振っています。本アルバムは、9月23日、25日の2日間行われたヴェルディの「レクイエム」から25日の公演が収録されています。両日ともキャストはほぼ同じですが、バスを担当するのが23日はニコライ・ギャウロフ、25日はニコラ・ザッカリアが登場しています。1964年モスクワ公演としては他の演目でもいくつかCD発売されているものもありますし、ヴェルディの「レクイエム」に関しては、23日の公演の記録としてや非正規盤として発売されていたこともあったようです。
カラヤンは1935年27歳の時に、当時音楽監督を務めていたアーヘン市立歌劇場とヴェルディの「レクイエム」を取り上げて以降、ベルリン・フィルとの最後の演奏会となった1989年のザルツブルク復活祭音楽祭に至るまで、幾度となく演奏している得意のレパートリーです。カラヤンとしても非常に力の入った演奏で、西側の文化的地位を誇示する重要な公演で取り上げるのも頷けます。またアメリカ人ソプラノ歌手レオンティン・プライスのソロも圧巻です。そして、このアルバムは、2014年7月25日に90歳で亡くなった、往年の名テノール、カルロ・ベルゴンツィの追悼として発売されています。ベルゴンツィはカラヤンとの共演も数多く、本ディスクはベルゴンツィを偲ぶには絶好の盤と言えるでしょう。(キングインターナショナル)
【曲目】
ヴェルディ:レクイエム
【演奏】
レオンティン・プライス(ソプラノ)
フィオレンツァ・コッソット(メッゾ・ソプラノ)
カルロ・ベルゴンツィ(テノール)
ニコラ・ザッカリア(バス)
ミラノ・スカラ座合唱団(ロベルト・ベナーリオ(合唱指揮))
ミラノ・スカラ座管弦楽団
ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)
【録音】
1964年9月25日 モスクワ、ボリショイ劇場(ライヴ)
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2014年12月25日 11:20