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艶やかで多彩な音色と豊かな感情表現~フランスのヴァイオリンの新星マリー・カンタグリル

マリー・カンタグリル(Marie Cantagrill)はフランス出身の女性ヴァイオリニストです。ヴァイオリンをエレーヌ・グランゴーの指導のもと5歳で始め、後にモスクワ・チャイコフスキー音楽院、グルノーブル国立音楽院で学び、ピエール・ランティエ国際コンクール、アンリ・ヴュータン国際コンクールに上位入賞し現在、ソロを中心に活動しているいま注目の才能です。

つやのある輝かしい高弦から骨太で雄弁な低弦まで音色の幅が実に広く、切れ味鋭いテクニックを背景に思うがまま、歌いたいように存分に弾ききる様子は爽快そのもの。堅固な構成と宗教性をもつバッハから民族色あふれるチャイコフスキー、そして鋭いセンスが求められるラヴェルまで、多彩な表現力で個性的に振る舞いながら作品の様式感を踏み外すことなく、説得力の高い演奏を聴かせてくれます。
(タワーレコード)

(1)マリー・カンタグリル
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン
ベルリオーズ:夢とカプリスOp.8
C.M.ウェーバー:ヴァイオリン・ソナタ第2番
パガニーニ:カプリス第24番(ピアノ伴奏つき)
ヴュータン:夢
ラヴェル:ツィガーヌ
マスネ:タイスの瞑想曲
マリー・カンタグリル(Vn)
ヴェロニク・ブラッコ(Pf)
録音:2003年、ハシエンダ・スタジオ

彼女のデビュー盤で、幅広い選曲がされているため、彼女の様々な表情を楽しむことができます。サラサーテでの、彼女の洗練された外見から考えると意外と言えるほどの朗々としたジプシー調、ウェーバーのソナタでの暖かくやわらかな音色と気品の高さ、難曲を軽やかに飛翔するように演じたパガニーニ、そして音色といい表現といいどこまでも気品高いマスネの「タイスの瞑想曲」と、まさに千変万化の表現力を見せています。(タワーレコード)

(2)スラヴ・リサイタル
ブラームス:ハンガリアン舞曲第1番、第4番、第5番
チャイコフスキー:瞑想曲Op.42
スーク:アパッショナートOp.17
スメタナ:祖国
ヴィエニャフスキ:スケルツォ・タランテラOp.16
ラフマニノフ:ヴォカリーズOp.34-No.14
リムスキー=コルサコフ:熊蜂の飛行
マリー・カンタグリル(Vn)
ヴェロニク・ブラッコ(Pf)
録音:ハシエンダ・スタジオ
(c)2005年

彼女がフランス人でありながら、わざわざロシアへ留学した理由がよくわかる、作品といい演奏といいスラヴの情感にふれた1枚です。ブラームスのハンガリー舞曲を急-緩-急の3曲で構成した選曲センス、そして歌と技巧が交錯する素晴らしさ。猛烈なスピードで駆け抜けるヴィエニャフスキでの鬼気迫る演奏。チャイコフスキーとラフマニノフでの物悲しく、陰影深い歌。そしてラストの『熊蜂の飛行』で、物凄い弓のスピードで熊蜂の騒々しい羽音を巧みに描写する芸達者ぶりを見せて、見事にアルバムを締めくくっています。(タワーレコード)

(3)チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調Op.35
リムスキー=コルサコフ:ロシアの主題による幻想曲Op.33
マリー・カンタグリル(Vn)、
タマシュ・ガル(指揮)ブダペスト・コンサート管弦楽団
録音:2007年7月、ハンガリー放送スタジオ、ブダペスト

チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲では第1楽章と第2楽章で、艶やかでいて深みのある音色を使って美しい旋律をじっくりと歌い込んでいます。その歌はときに、こぶしを効かせているほどで、彼女が本場ロシアで学んだことを感じさせます。そして第3楽章に入るや持前の切れ味鋭いテクニックを駆使して猛烈なスピードで追い上げ、凄まじい高揚を築いています。カップリングのリムスキー=コルサコフ作品も、チャイコフスキーと同様、ロシア民謡調の旋律の歌や緩急の切り替えの巧みさに魅了されます。(タワーレコード)

(4)J.S.バッハ:
無伴奏ヴァイオリンのための
パルティータ第2番ニ短調BWV.1004
パルティータ第3番ホ長調BWV.1006
マリー・カンタグリル(Vn)
録音:サン・セルジュ教会アンジェ、フランス
(c)2009年
 
(5)J.S.バッハ:
無伴奏ヴァイオリンのための
ソナタ第1番ト短調BWV.1001
パルティータ第1番ロ短調BWV.1002
マリー・カンタグリル(Vn)
録音:コンブロング・アビー、リモン、フランス
(c)2011年

このバッハの無伴奏はモダン楽器&奏法でゆったりと演じられています。録音会場の長い残響の中で彼女の多彩な音は艶やかに輝いており、その美しい響きに浸っているだけでも幸せを感じ取れるほどです。彼女の音色は哀切な高弦から深みのある低弦まで変化に富み、楽章間の緩急の差をセンス良くつけ、作品の造形と音楽の流れの良さをともに活かしきっています。深く、豊かで、親しみやすい、人声のような歌と、高度なテクニックを背景とした軽やかに舞うような舞曲調が交錯する、魅惑的なバッハ演奏です。(タワーレコード)

カテゴリ : ニュース | タグ : プロモ(クラシック)

掲載: 2015年03月13日 21:00