豪エロクエンスより藤川真弓のモーツァルト:ヴァイオリン協奏曲全集、デル・モナコの『オテロ』『リゴレット』
偽作まで収録した藤川真弓による名演~モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲全集
ヴァイオリンの名手だった父レオポルドの影響で、幼い頃からヴァイオリンの演奏にも才能を発揮したモーツァルトは、十代の終わりにはすでに熟練したスタイルによる5曲のヴァイオリン協奏曲を完成させていました。その5曲と偽作の第6番、第7番、他小品を日本のヴァイオリニスト藤川真弓が演奏した全曲盤の復活です。桐朋女子高校を卒業後、ベルギーに留学し、フランツ・ヴィジーとレオニード・コーガンに師事。1966年日本音楽コンクールに入賞し、1971年にはオーマンディ指揮するフィラデルフィア管弦楽団との共演でアメリカデビュー。この録音はそんな彼女が演奏家としての確固たる位置を築いていった証ともいえるものです。第2番の終楽章や第3番の第2楽章は、特筆すべき名演として知られています。オリジナルのLPに付されていたライオネル・ソルターの解説も掲載されています(英文のみ)
【収録予定】
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第1番変ロ長調K.207, ヴァイオリン協奏曲第2番ニ長調K.211, ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調K.216, ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調K.218, ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調K.219「トルコ風」, ロンド 変ロ長調K.269, アダージョ ホ長調K.261, ロンド ハ長調K.373, ヴァイオリン協奏曲第6番変ホ長調K.268, ヴァイオリン協奏曲第7番ニ長調K.271a
【演奏】
藤川真弓(ヴァイオリン)
ヴァルター・ヴェラー(指揮)
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団,
【録音】
1979~1980年, ロンドン、キングズウェイ・ホール
デル・モナコの輝かしい歌唱~ヴェルディ:歌劇「オテロ」
1950年代、盛んにオテロ役を歌っていたマリオ・デル・モナコ。エレーデとの共演は、あの1958年のNHKイタリア・オペラでの伝説的な舞台でも知られています。この1954年の演奏は、デル・モナコの輝かしい歌唱はもちろんのこと、デズデモナ役のテバルディの存在も大きく、2人の若々しい声が全体をぴりりと引き締めています。エレーデの闊達な指揮が、このヴェルディの晩年の作品を流麗に、緊迫感を持って聴かせています。
【収録予定】
ヴェルディ:歌劇「オテロ」(全曲)
【演奏】
マリオ・デル・モナコ(T:オテロ), レナータ・テバルディ(Sp:デズデモナ), アルド・プロッティ(Br:イアーゴ), フェルナンド・コレナ(Br:ロドヴィーコ), ピエロ・デ・パルマ(T:カッシオ), ピエル・ルイジ・ラティヌッチ(Br:モンターノ), ルイザ・リバッキ(Ms:エミーリア),アンジェロ・メルクリアーリ(T:ロデリーゴ), ダリオ・カセッリ(Bs:伝令), アルベルト・エレーデ(指揮) サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団&合唱団
【録音】
1954年7~8月、ローマ
デル・モナコによる、マントヴァ公の熱演~ヴェルディ:歌劇「リゴレット」
1954年、マリオ・デル・モナコの伝説的名唱が楽しめる「リゴレット」です。エレーデとの「オテロ」と同じ時期に録音されたこの「リゴレット」で、デル・モナコは好色なマントヴァ公を熱演。輝かしい声を存分に生かした素晴らしい歌唱でプロッティのリゴレットを引き立てています。清楚なギューデンのジルダ、迫力あるシミオナートのマッダレーナ、そして悪の権化のようなシエピのスパラフチーレと配役も万全です。
【収録予定】
ヴェルディ:歌劇「リゴレット」(全曲)
【演奏】
マリオ・デル・モナコ(T:マントヴァ公), アルド・プロッティ(Br:リゴレット), ヒルデ・ギューデン(Sp:ジルダ), ジュリエッタ・シミオナート(Ms:マッダレーナ), チェーザレ・シエピ(Bs:スパラフチーレ)、他、アルベルト・エレーデ(指揮) サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団&合唱団
【録音】
1954年7月、ローマ
ゲルネの表現力が光るバッハ~J.S.バッハ:カンタータ集
バスのためのカンタータ」というのはバッハの宗教作品の中でも特別な位置を占めています。受難曲でもわかる通り、バッハは「キリストの声」をこの声域で表現しているとも言われるからです。ゲルネの歌唱の素晴らしいところは、声の深みと張り、そして表現力の豊かさでしょう。全ての言葉に心が行き渡るも、抑制の効いた歌唱でバッハの世界を表出しています。またオーボエのソロはアルブレヒト・マイヤーが担当。こちらも注目です。ノリントンが理想的なバックを務めています。
【収録予定】
J.S.バッハ:カンタータ「われは足れり」BWV.82, 「平安なんじにあれ」BWV.158, 「われは喜びて十字架を負わん」BWV.56, 「霊と心は驚き惑う」BWV.35よりシンフォニア
【演奏】
マティアス・ゲルネ(バリトン), ロジャー・ノリントン(指揮) カメラータ・アカデミア・ザルツブルク, ザルツブルク・バッハ合唱団
【録音】
1999年6月, ザルツブルク、カプツィーナ修道院(デジタル:セッション)
キュッヒル率いるムジークフェライン弦楽四重奏団のロマン派作品集
ブラームス、シューマン、ヴォルフ:弦楽四重奏曲集
ムジークフェライン弦楽四重奏団は、ウィーン・フィルの伝統でもある「コンサートマスターと首席奏者たちによる弦楽四重奏」を継承しているアンサンブルで、弱冠20歳でコンサートマスターに選ばれたライナー・キュッヒルが1973年に結成したものです。この録音は結成直後のものであり、瑞々しい音楽性と豊かな響きを楽しむことができます。
【収録予定】
ブラームス:弦楽四重奏曲第3番変ロ長調Op.67, ・シューマン: 弦楽四重奏曲第1番イ短調Op.41-1, ヴォルフ:イタリアのセレナード ト長調
【演奏】
ウィーン・ムジークフェライン弦楽四重奏団
【録音】
1976~1978年、ウィーン、ゾフィエンザール
モントゥー十八番の「幻想」、晩年を象徴するウィーン・フィルとの名演奏
ベルリオーズ:幻想交響曲
2つの「超自然的」な題材をモティーフにしたロマン派の名作。演奏によっては限りなくどぎつくなってしまうところを、モントゥーは品良く丁寧にまとめています。モントゥーは「幻想交響曲」に5回商業録音を残しており、最も知られているのは1950年のサンフランシスコ響のものでしょう。しかしこの83歳の時の「幻想」は肩の力の抜けた流麗な演奏で、また違った味わいが楽しめます。メンデルスゾーンも抒情的で慈愛に満ちた演奏です。
【収録予定】
1) ベルリオーズ:幻想交響曲Op.14,
2) メンデルスゾーン:夏の夜の夢~序曲, スケルツォ, 夜想曲, 結婚行進曲
【演奏】
ピエール・モントゥー(指揮) ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
【録音】
1) 1958年10月, 2) 1957年11月, ウィーン、ゾフィエンザール
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2015年04月17日 17:30