Kagura Sunshine『Sun Is Shining』発売記念インタビュー!
Kagura Sunshine:本州最東端、岩手県宮古市出身の女性リリシスト。現在は横浜市在住。2001年より路上で歌い出し、アンダーからオーバーグラウンドまで都内クラブを中心に500本以上のイベントに出演。2011年、東日本大震災で地元が被災。CDの売上げを復興支援活動に役立てたく、自身で『far east bay records』を立ち上げる。Shing02等への楽曲提供で国内外から高い評価を得ているYakkleプロデュースのもと、Steph Pockets、dj kou、ボーナストラックにはHAIIRO DE ROSSIを迎え、満を持して2015年4月8日にファーストとなる『Sun is Shining』をリリース。
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本州最東端発、東北沿岸育ちの強く逞しき女性リリシスト、Kagura Sunshineのファースト・シングル。Shing02等への楽曲提供で国内外から高い評価を得るYakkleプロデュースのもと、Steph Pockets、dj kouらを迎えた作品。
Sun Is Shining feat. Steph Pockets & Scratches by dj koukou & Steph Pockets
▼Kagura Sunshine『Sun Is Shining (feat,Steph Pockets & Scratches by dj kou)』発売記念インタビュー!
◆ TOWER RECORDS online初登場!まずはKagura Sunshine(以下Kagura)のプロフィールを教えてください。
本州最東端、岩手県宮古市出身の女性リリシスト。現在は横浜市在住。2001年より路上で歌い出し、アンダーからオーバーグラウンドまで都内クラブを中心に500本以上のイベントに出演。2011年、東日本大震災で地元が被災。CDの売上げを復興支援活動に役立てたく、自身で『far east bay records』を立ち上げる。Shing02等への楽曲提供で国内外から高い評価を得ているYakkleプロデュースのもと、Steph Pockets、dj kou、ボーナストラックにはHAIIRO DE ROSSIを迎え、満を持して2015年4月8日にファーストとなる『Sun is Shining』をリリース。
◆ そしてプロデューサーのYakkleのプロフィールを。
神戸市出身、2005年、二十歳の時にカリフォルニアのバークレーに留学。 ベイエリアローカルヒップホップシーンの洗礼を受ける。同年現地でビートメイカーとしてのキャリアをスタート。2006年に帰国後、EccyにSlye Recordsに誘われる。2008年4月にSlye Recordsからリリースされた ”あるぱちかぶと” のデビューシングル ”大震災” のタイトルトラックをプロデュース。2011年3月に同レーベルから自身の1st Solo Album「YAKKLE」をリリース。代表曲に あるぱちかぶと『大震災』、ZONE THE DARKNESS『Sweet Flavor』、HAIIRO DE ROSSI『Drug Ballad』、Shing02/Yakkle 『愛密集 w/SPINMASTER A-1』
◆ Kaguraは音楽活動歴が長いですが、今までリリースはなく、この「Sun Is Shining」がデビュー作品となるんですね。ためにためての今回の発売に踏み切ったいきさつを教えてください。
Kagura:リリースはずっと意識してきましたが、まだまだ未熟だとわかっていたので、形になってしまうというか、完成品として世に残ってしまう事が怖くていつもためらってきましたね。どこまでいってもまだだって自分を追い込んでしまうんですよ。きっと必要だったのは自信と覚悟だったと思います。そんな中、東日本大震災が起きてしまい、いち東北人として言葉を発信しなくては、、、と自身を奮い立たせるようになりました。
きっと一人では決断できなかったと思いますが、震災以降、以前から交流のあったSteph Pockets(以下Steph)がいつも『大丈夫か?』と気にかけてくれていて、思い切ってStephに『一緒に曲を書いてほしい』と連絡をしたところ、即答でOKをもらった時は、もう嬉し過ぎて叫んでましたね(笑)夢が実現するかと思ったら、自然と覚悟が決まっていました。
すぐにBeatは誰に依頼しようかと考えたのですが、今回CDジャケットのArtworkを担当してくれた絵描きのTOWAの紹介でYakkleに依頼しました。会った事もなかったのですが、何故か彼にお願いしたいってピンときたんですよ。直感ですね!結果、あまりに彼のBeatが素晴らしく、気付いたら全曲彼にお願いしていました(笑)
Yakkle:一緒にやろうって言ってくれたタイミングが完璧でした。
最初のやりとりからKaguraがエネルギーに満ちあふれていたので、僕も正面から全力でぶつかっていこうって感じでした。
Steph:Kaguraとのこの作品はアタシにとって素晴らしい出来事だったよ。このためにYakkleが用意したBeatが送られてきたとき、これはすぐに取り掛からなくちゃって思えたんだよね。自分のグルーブにもすごく合ってたし、かっこいいでしょ?
◆ Stephが来日中に皆でレコーディングしたようですがどうでしたか?
Kagura:「Stephと一緒に曲が作りたい!!」と本人に伝えたのはたしか5年前でした。レコーディングまで一緒に出来るとは思っていなかったです。実際に彼女が歌いだしてからは、まさに夢がリアルタイムで叶っている瞬間というか、もう信じられないほどかっこよかったです。思わず東北の仲間の顔が浮かび泣きそうになりました。Yakkleもこの日にあわせて神戸から来てくれて、彼のプロデュースのおかげでばっちり仕上がりました。
Yakkle:とてもカッコよかったです!Stephは普段は可愛い人だけど基本的にはゴリゴリなラッパーなんだなって。
僕は2005年から活動していてたくさんのMCの方のレコーディングに立ち会いましたが、Stephは自分が見てきた中でも一番仕事が早かったです。Stephもkouさんも安定感がすごくて。本当に勉強になりました。録音したスタジオのエンジニアのbigoの仕事っぷりも素晴らしく彼のおかげでレコーディングはスムーズだったしとても良い雰囲気でした。
Steph:「楽しかった!」の一言につきるね!日程はツアーの合間でかなり強行だったんだけど、そんなこと、忘れるぐらい(笑)!スタジオにKaguraとYakkleとdj kouにbigo、ドリームチームみたいでVibesも情熱も最高潮でヤバすぎたよ!アメリカで録るのとはまた違う雰囲気だったし、皆で作り上げてく空気や、Kaguraの熱意がビシビシだったこと、今度のアタシのレコーディングにも影響しそうだわ。レコーディング中のミュージックビデオ撮影も楽しかったよ。
◆ この曲のビートを作る際に何か気にかけた部分などはありますか?
Yakkle:Kaguraのイメージしているビートを自分なりの解釈でとにかくいっぱい作りました。何曲かバンバン作ってやりとりしていく中でだんだん彼女の求めているビートのイメージが掴めてきて、ビートが決まってから もっとこうして欲しい、あーして欲しいと色々アドバイスをKaguraにもらいながらそれに答えていく形でした。時間はあんまりかかっていませんが、たくさん電話やメールでやりとりして作りました。すごくやりがいがあって自分にとっても良いチャレンジでした。Kaguraの良さをより引き出したいという思いがあったので、何度も細かな編集を繰り返し彼女が気持ち良く歌えるものを追求しました。
作品を仕上げるためにミックスをお願いしたSR23はStudio Bridgeのオーナーでありエンジニアで、彼とは昔からの付き合いでいつも技術面でのアドバイスや人生相談まで本当にお世話になっている僕の音楽人生の重要人物です。素晴らしい仲間たちと作品を仕上げました。
Studio Bridge ( http://studiobridge.jimdo.com )
◆ Stephとのコラボアルバムをリリースしたdj kouがスクラッチしてますが、どういうきっかけで参加となったんでしょうか?
Kagura:Stephに今回の作品に対する想いを伝えたところ親身になっていろいろと協力してくれて、dj kouを紹介してもらい、今回のコラボが実現しました。
kouさんはShing02のLive DJもされているのですが、ライブ中のスクラッチがあまりに美しい音色だったんですよ。衝撃でしたね。世界が広がっていくというか、情景が浮かぶようというか、もうあまりに美しくてこれが世界レベルなんだなあって。
一瞬でファンになり、すぐにYakkleに相談して参加が決まりました。Yakkleもkouさんとは知り合いだったので。dj kouが加わったからこそ、曲の世界観が完成したと思っています。
dj kou:Stephが「これ、kouも参加しようよ」って曲を送ってきました(笑)。 聞けばYakkleのBeatだし、皆やるんだし、俺も!俺も!的な。まぁ、本当にStephもYakkleも言ってるけどKaguraの熱意がビシバシで(笑)。 こういう形で皆でひとつのプロジェクトに集中できるって良いことだなと改めて感じましたよ。
◆dj kouは2曲目『Free』にも参加してますね、そしてボーナストラックと呼ぶのがもったいない(笑)5曲目の『Stay With Me (feat. HAIIRO DE ROSSI)』、彼の参加についても教えてください。
Kagura:この3.4年は自分にとって本当につらい道のりでした、そんなときに彼と出会い、『あれ?あたしがやりたかった事だ、、、』と、彼のリスナーに呼びかける姿やその距離感に初心を思い出させられました。自分の中から溢れ出る感情や、イマジネーションまでも消えていってしまい、ワクワクするまでにも時間がかかり、詩を書けるようになるまでに、何度も挫折した自分を救ってくれたアーティストの一人です。
◆この作品の売上げは東日本大震災の支援費にあてるとのことですが、東北の皆さんに限らず、日本中が物理的な復興を希望していると同時に心の復興も希望していると思います。その辺はどのようにお考えですか?
Kagura:心の復興ですか、、、。きっとそれは『自ら生きたいと思えるようになる』という事なのかなと感じています。
私自身、地元である宮古市の沿岸地区が被災してしまい、実家も思い出の場所もほとんどなくなってしまいました。何かを割り切らなければとても歩けるような状態ではなく、あまりのショックにしばらく心を閉ざしてしまいました。
『生きねばならない』から『生きたい』に変わった瞬間は、Hi-STANDARDが11年ぶりに復活し開催したAIR JAM 2011でした。"BRAHMAN"、"the HIATUS"、そして"Hi-STANDARD"のライブを見た時に、震災以降初めて嬉し泣きをしたんです。あの感動は今でも忘れません。『ああ、生きたい。ありがとう。』と強く心の中で叫びました。きっと私自身の心の復興はその時から始まっていたように思います。
その後、地元に"KLUB COUNTER ACTION MIYAKO"というライブハウスが建ちました。
女性アーティストとして初めてそのステージに立たせてもらい、先輩方の前で泣き崩れながら歌ったあの日から、東北人である事を意識して歩いてきました。東北の方が『あの子頑張ってんなぁ』と喜んで下さったら嬉しいです。
今回の作品の売上げは制作費の一部を除いた全額を支援活動に使わせて頂きます。先輩方からは長く音楽活動を続けていきたいのなら他の方法があるのではないかと反対もあったのですが、どうしても全額支援費にしたくてここまでやってきたので、微力ではありますが大事に使わせて頂きたいと思っています。
◆ CDジャケットの中の写真、(きれいな海に力強い大きな岩)はもしかして地元ですか?
Kagura:そうです、地元の浄土ヶ浜です。震災前の写真ですね。
Steph:(写真をのぞきこんで)今も同じ景色なの?その浜にはよく行ってたの?今も帰省したら行くの?
Kagura:(Stephに)うん、岩もそのままでかわってないよ。昔から行ってた海だし、思い出の場所もほとんどなくなってしまった中、今も残っているずっと変わらない場所。
誰かが来たら必ず連れて行きたいところです、宮古の代表的な景勝地ですし。次回はStephと一緒に行きたいですね。
Steph:なるほどね、この景色と一緒に育ったから今のKaguraがこんなに逞しく強い女性になったんだね。これは是非、連れてってもらわないと!
◆ Stephの楽曲にはハイチ大地震のあと、想いをこめた『Round & Round』(アルバム『Forever』収録)という曲もありますが、Stephは日本での震災後、何か変化はありましたか?
Steph:日本はアタシの第2のHome、大事な友達、ファンが皆いる。全員と連絡がつくまで眠れなかった。毎日ニュースばかりを追う自分の無力さに途方に暮れた日々だった。すぐに何か自分にもできないかって考えてはいたけど形にすることはできず、とにかく一人一人に「元気だして!」って連絡し続けることだった。アタシが落ち込んでいる場合ではなかったしね。
Kagura:Stephに地元の写真を送ったら「家族でうちに引越してきたら?」と言ってくれたんです。一番辛い時だったので、優しさがしみて涙がでましたね。
Steph:そう、もし住める状況じゃないなら、皆、うちに来ればいいよって思ってた。
それぐらいしかできなかったアタシにKaguraから誘われてね。これで日本の皆に少しでも恩返しができるって嬉しかったな。一人でも多くの人にこの曲を聴いて、手にとってもらって、Kaguraとアタシとdj kouとHAIIRO DE ROSSIと全曲プロデュースしたYakkle、制作に関わった全員の熱意を感じて欲しいな。何もできないと思っていても、今スグじゃなくても、きっと何かできるって。
Believe in yourself and your dreams and they will come true. Never forget that after every storm comes the sun!
( 自分自身と夢を信じていれば実現するよ。忘れないで、どんな嵐がきても必ず太陽は昇るから!)
◆最後にKagura Sunshineから一言どうぞ。
Kagura:Stephが言ったとおり、この作品に関わった全員の熱を感じてもらえるような作品が完成しました。是非、ショップでCDを手に取って頂けたら幸いです。リリースまで時間はかかりましたが、待っていてくださった皆さん、この作品に興味を持っていただいた皆さん、本当にありがとうございます。
★LIVE INFO★
・5.4 (mon) @岩手県宮古市 KLUB COUNTER ACTION MIYAKO
『Each of Night』GUEST LIVE
・5.9 (sat) @岩手県宮古市 カントリーズCafe
リクルマイ 『きたぐにのはる』東北ツアー
・5.16 (sat) @恵比寿BATICA
Sun Is Shining『Release Party』
掲載: 2015年04月27日 12:00