18世紀音楽史上、唯一無二の出会いに思いを寄せて~中野振一郎 J.C.バッハ&モーツァルト
1764年、ロンドンで出会ったヨハン・クリスチャン・バッハとモーツァルト(当時8歳)は、21歳という年齢差にも関わらず互いに尊敬し合う友好関係を築きます。少年モーツァルトはクリスチャン・バッハの音楽から多大な影響を受けるのですが、この出会いがなければ、後のモーツァルトの音楽は生まれなかっただろうとまで言われています。18世紀音楽史における「一大事件」ともいうべきこの幸福な出会いをテーマに中野振一郎が編み出した本作では、J.C.バッハの佳品ソナタ(二曲)のほか、8歳のモーツァルトの小品、さらに自らのスタイルを確立した青年モーツァルトが書いたソナタを、チェンバロによる演奏でお楽しみいただきます。チェンバロとフォルテピアノが併存していた時代、1760~70年代のヨーロッパの音楽事情を想像しながら聴くのもまた一興。上質で知的な遊び心に溢れたアルバムです。
(若林工房)
【収録曲】
ヨハン・クリスチャン・バッハ(1735-1782):
・クラヴィーアのためのソナタ ト長調 作品5-3
モーツァルト(1756-1791):
「ロンドン音楽帳」より(5曲)
・ヘ長調 K. Anh.109b/1 (15a)
・ハ長調 K. Anh.109b/2 (15b)
・ト短調 K. Anh.109b/3 (15p)
・ニ長調 K.15o
・変ホ長調 K.15mm
J.C.バッハ:
・クラヴィーアのためのソナタ ハ短調 作品17-2
モーツァルト:
・クラヴィーアのためのソナタ 変ホ長調 K.282 (189g)
【演奏】
中野振一郎(チェンバロ)
【録音】
2014年10月13~14日 新川文化ホール(富山県魚津市)
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2015年06月17日 13:05