ザ・バード&ザ・ビー4枚目のアルバム『Recreational Love』
こんなに新作のリリースまでに時間がかかるとは思わなかった、とイナラ・ジョージが語る通り、二人はそれぞれの音楽活動で多忙であった。イナラはインディ・フォークのスーパーグループ、リヴィング・シスターズで歌い、グラミー賞にもノミネートされたグレッグ・カースティンは、SiaやチャーリーXCXのプロデュースを行ったりしていた。そしてある金曜の朝、最近のレトロ・ポップのアイデアをまとめる為に、二人はグレッグのスタジオで会った。こうして、ポップスにリズム・アンド・ブルースの暖かいグルーヴを施したアルバムが完成したのだ。
『Recreational Love』は、2009年の『Ray Guns Are Not Just the Future』以来のバンドのオリジナル曲によるアルバムとなるが、2010年のアルバム『Interpreting the Masters Volume 1: A Tribute to Daryl Hall and John Oates』に近い要素を持った作品である。「『Interpreting the Masters Volume 1: A Tribute to Daryl Hall and John Oates』の制作は、まさにホール・アンド・オーツ大学を卒業するようなものだった。彼らの曲のアレンジがいかに素晴らしいかを学べたんだよ」とグレッグは語る。『Recreational Love』では初期のザ・バード&ザ・ビーの特徴でもあった音のレイヤーが取り除かれ、まるでメロディが透けて見えるようなサウンドとなったのだ。また複雑で細やかなリズムは、トーキング・ヘッズやスティーヴィー・ワンダーからの影響も感じさせる。アルバムはEmily Lazarによってマスタリングされた。EmilyはSiaの「Chandelier」でグラミー賞のレコード・オブ・ザ・イヤーに初めてノミネートされた女性のマスタリング・エンジニアでもある。