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ポスト・クラシカルの名盤誕生!コリンズ・リンチ・ワトソンがデビュー/インタビューも到着

Collins Lynch Watson

 

メルボルン国際アートフェスティバルにてVampiliaとの共演も果たしたオーストラリア人作曲家、アンドリュー・ワトソンを中心に結成された3人組のデビュー・アルバム!

柔らかなピアノから始まる至極の一枚は、ギターとストリングが加わることで、より音の深みを増していきます。テクスチュアルなループ音が柔らかく広がるとともに、かつて〈city center offices〉よりリリースしていたKuukka兄弟によるユニット、ザ・ジェントルマン・ルーザーズを思い起こさせるギターサウンドも相まって、遠く懐かしい日々をを思い起こさせるノスタルジックな雰囲気を醸し出しています。ピアノ、ギター、ストリングスというシンプルな編成ながらも、ブライアン・イーノとのコラボでも知られるザ・ネックスやヤン・ティルセン、グスターボ・サンタオラヤなど随所にオーストラリアのルーツを思い込させるようなサウンドがミックスされたとなっています。

例えるなら本作は、ファーストキスから失恋に至るまだ見ぬ映画のための、あるいは完成されない人生のための、サウンドトラック。

この度、全世界で〈Salvaged Tapes Records〉のみがCD化。輸入盤はございませんので、この機会にぜひお見逃しなく!

 

 

COLLINS LYNCH WATSONインタビュー:Andrew Watson

Q:今回のプロジェクトは3人編成ということですが、ネイサンとクリスとはどのようにして出会ったのですか?

Chris(gt)とNathan(pf)とは古くからの友人なんだ。Chrisがやっているバンド「Broken Flight」に僕がヴァイオリンやギターで参加したこともあるし、Chrisが僕がやっていたバンド「Interim Lovers」でギターを弾いてくれたこともあるよ。それ以前にも、2003年頃からかな、それぞれ別のバンドとしてメルボルン界隈でよく共演していたしね。

Nathanとも同じ頃に、彼が昔やっていたバンド「Adlerseri」とメルボルンにいる僕の友人がやっていたバンド「Because Of Ghost」とスプリットEPを出した時に知り合ったんだ。ChrisとNathanはTamas Wellsバンドとして中国と日本でツアーをしていて、何年か前、まだ彼がタスマニアに住んでいた頃に僕が訪ねて行って友だちになったんだよ。

 

Q:トリオ・プロジェクトと言われるとベース、ギター、ピアノを思い浮かべる人が多いと思うんですが、今回のギター、バイオリン、ピアノという編成にはどういった意図が込められていますか?

バンドを結成するときに、例えば「Goodspeed You! Black Emperor」や「Mogwai」のようなポストロックに近い音になるのは避けたかったんだ。もちろん僕はポストロックも大好きだよ。でも今回はサウンド・トラック・プロジェクトとしてもっと映画に適した繊細な音の領域が欲しかったんだ。ドラムがあると眠くなってしまうかもしれないしね。(笑)

その点、ChrisのピアノのスタイルとNathanのギターのスタイルはスタジオで一緒に演奏した時に、とてもこのプロジェクトに合っていると思ったんだ。曲を通してベースラインを定義するような感覚でピアノやギターがリズムを刻む役割を担うこともあるしね。「The Horse That Bolted(本作5曲目収録」では、良く聴くと僕が弾いているコントラバスをループさせた音が聞こえると思うよ。

 

Q:いま映画の伴奏とおっしゃっていましたが、今回収録されている曲のタイトルはとても想像性が豊かですよね。作曲するにあたってまずはテーマを決めてから制作しているのですか?

今回のアルバムはテーマより先に音楽ありきだったんだ。それぞれ曲作りのセッションをするときにいくつか持ち寄ったアイディアをトリオとしてふくらませていくやり方と、完全に即興で作るやり方をしたよ。それらはデモとして録ってあるんだ。

今回のアルバムの半分はアイディアを持ち寄って作ったもので、残りはレコーディングの時に即興で作ったものなんだ。アルバムに収録する曲を選ぶ時に、録った時のことを思い出しながら付けたタイトルもあるし、アイディアを持ち寄った時に付けられていたタイトルをそのまま残したものあるよ。

 

Q:確かにどの曲もとても即興的にあふれたアプローチをしているように感じます。
サウンドトラック・アンサンブルとして、とてもクリエイティヴな方法ですよね。

リハーサル室でもスタジオでもそうだけど、あらかじめ決められてることに即興的なアイディアをミックスするのが好きなんだ。
「The Horse That Bolted(前出)」のような作りこまれた曲であっても、その時のムードやお客さんによって即興的なアプローチで音楽が変化していく余地を残しているしね。
「Only The Dead Have Seen The End Of War(本作6曲目収録)」はいい例えだと思うんだけど、この曲は過去に2回ライヴで演奏しているけれど2回ともアレンジが違うんだよ。とても控えめに悲しそうなアレンジで演奏することもあるし、今回アルバムに収録しているヴァージョンよりもっと激しくワイルドなアレンジにすることもある。そこが今回のトリオ・プロジェクトで一番楽しいことなんだ。音楽としてのアイデンティティを保ちながら、僕らの音楽は成長し、進化しているんだよ。

今回のレコーディングは、メルボルンにあるCrosstown Studiosで、僕と古くから仕事をしてるエンジニアのJoshua Whiteheadと録音したんだ。NathanとChrisがスタジオで「A Watched Pot Never Biols」を録っている間、僕はコントロールルームで休んでいたんだけど、今回のレコーディングでは僕がストップと言わないかぎり、そして休憩中にスタジオにいない時を除いて1日中テープを(録音を)止めないようにJoshuaに頼んだんだ。だからたった一人しかスタジオにいない時でも、その人のアイディアや音はすべて録ってあるんだよ。

NathanとChrisのセッションを20分くらいコントロールルームで聞いていた時、彼らの出す音からとても良いアイディアが浮かんで、僕もギターを持ってスタジオに駆け込んだことがあるんだ。とてもエキサイティングな瞬間だったよ!

 

Q:あなたは過去に様々なシーンで活躍されていますよね?Vampilliaとの対バンやEmilie Zoey Bakerとのコラボレーションなどもありました。

今回の収録の曲で、あなたの音楽的な経験が最も反映されていると思う曲を選ぶとしたらどれだと思いますか?

僕はこのバンドでやっていることをとても誇りに思うし、どの曲もChrisやNathanがそれぞれやっているソロ名義やバンド、僕のコラボレーションの経験が捉えられていると思うよ。もし1曲選ぶなら、「Don't Be Long」だと思う。それがなければプロジェクトは始まらなかっただろうしね。楽器のバランスがとても自然だし繊細なんだよ。

僕らの多くの曲は、ライヴで演奏するたびにフレージングやレンジがとても自然に進化していくんだけど、けれどいつも本質的には「Don't Be Long」があると思し、僕らのバンドの美しさでもあると思うんだ。

 

Q:今後の展望などがあれば教えて下さい。
日本のファンへのメッセージを頂けますか?

最近は新作をレコーディングしていて、夏にかけての計画を立てているよ(日本の四季とは逆なのでオーストラリアはこれから夏になる)。何日か前に、セカンドアルバムの制作で使うかもしれないメルボルンのHeadgap Studiosで、Neil Tomasonと録音したよ。

日本へもぜひ行きたいと思っているよ。静かで美しい場所で聴いて貰えたらと思う。もしうまく行けば何かのライヴで会えるかもね。実は今日ちょうど、日本盤が届いたんだけど本当に日本でリリースできることが嬉しいよ。すごく興奮してる。

写真やヴィデオを載せてるFacebookページもあるから、チェックしてみて。
メッセージも待ってるよ。
http://www.facebook.com/collinslynchwatson

 

 

【イヴェント情報】
MES × Salvaged Tapes Records LIVE EXIBITION
『pool / mug』
 
2015/12/05(Sat]
@桜台pool
2015年12月05日。音楽メディアの苦境の中救世主の如く誕生した新レーベル《salvaged Tapes Records》と、散開していく芸術と世界を新たな世代の目で結ぶ新興アートmug集団 《M E S》が桜台poolにて、その披露目も兼ねたエキシビションライブを共同開催pool!!!15'年以降の新時代到来の予兆から、先行く一手poolを模索する。

【Salvaged Tapes Records】
ermhoi × Asako
BATIC
Collins Lynch Watson(movie showing)
Sergei Lermontov Quartet
produced by Salvaged Tapes Records

【MES】
Takeru Arai
Jesse Hogan
Yo Haku
Shota Torii
Yutaro Yamada
produced by Kanae Tanikawa

この交配は、ライブの背景としてのエキシビションでも、エキシビションの一環としてのライブでもない。
ライブ(=聴)とエキシビション(=視)を同時知覚(simultaneous perception)することを試みる場である。だが、ライブとエキシビションを完全に差別化できないように、聴覚・視覚といった感覚の対象を音楽・美術とは分け切ることは出来ないのは自明である。このようにあらゆる場面で私たちは複数の感覚を一緒くたpoolに知覚することを自然に行なっているが、本来個々の知覚対象はそれぞれの感覚のズレによってごまかされているのではないか。雰囲気的な感覚のままにそのpoolの底を探ることなく捉えていて良いのか。私たちの知覚がより鋭敏に自意識下におかれれば、次なる覚醒段階へと展開されるのではないか。
そして芸術家はそれをごまかす側mugとなることによって鑑賞者あるいは自身の目すらも錯覚させてmugる。

adv 2500yen + 1drink / door 3000yen + 1drink
ご予約はレーベルサイトのcontactより、お名前、人数を明記のうえ送信してください。
レーベルサイト:http://www.salvagedtapes.com/

タグ : ポスト・クラシカル

掲載: 2015年09月29日 10:20