〈Xanadu Master Edition〉シリーズ第3弾&第4弾
Prestige他数々のレーベルでディレクター/プロデューサーとして活躍したドン・シュリッテン自らが1970年代半ばに設立したレーベル、ザナドゥ〈Xanadu〉の貴重作品続々復刻!
【シリーズ第3弾】
ドロ・コーカー『California Hard』1976
60年代に入って間もなくロスに居を移したドロ・コーカーと、ずっと西海岸で活躍していたアート・ペッパーは、麻薬癖が原因となったペッパーの度重なる入所/入院のためもあって、レコーディングの上では2度しか共演していません。最初が1960年にコンテンポラリー・レーベルのために録音されたアート・ペッパー名義の『Intensity』、そして2度目にして最後の共演が、このドロ・コーカー名義のXanadu盤です。こちらは、ブルー・ミッチェルがペッパーとともにフロント・ラインを構成するクインテット録音で、この前年に『Living Legend』で華々しいカムバックを果たしたペッパーの熱いサックス(アルトばかりでなく、コルトレーンの影響を受けたというテナー・サックスも吹いています)が聴きものとなっていますが、リズム・セクション3人だけの演奏やピアノ・ソロ曲もあり、地味ながら味わい深いドロ・コーカーのピアノをじっくりと楽しめる1枚でもあります
Personnel:DOLO COKER(p), BLUE MITCHELL(tp, flh), ART PEPPER(as, ts), LEROY VINNEGAR(b), FRANK BUTLER(ds)
ロニー・キューバー『Cuber Libre』1976
ペッパー・アダムスを追う存在としても注目されたバリトン奏者ロニー・キューバー、70年代の名演!いくつもの有名ビッグ・バンドで腕を磨き、後にはフュージョン・シーンを代表するバリトン・サックス奏者として人気を博すことになるロニー・カバー(キューバ―と表記されていることが多いですが、“カバー”と発音するのが正解なようです)。これは、彼が34歳になった1976年にXanaduへ録音した初リーダー・アルバムで、バリー・ハリス、サム・ジョーンズ、アル・ヒースという強力リズム・セクションを従えたカバーの豪快なバリトン・プレイングが圧巻の出来となっています。バップ曲やケニー・ドーハムの名オリジナル、スタンダード・ナンバーなどをゴリゴリと吹きまくるカバー、そしてはつらつとしたソロを繰り広げるハリスやジョーンズ、そしてユニークなリズムを送り出すヒースと、全員がドン・シュリッテンのプロデュースの下に実力を100パーセント発揮しています。
Personnel:RONNIE CUBER(bs), BARRY HARRIS(p), SAM JONES(b), ALBERT HEATH(ds)
ブルー・ミッチェル、サム・ノト、デクスター・ゴードン、アル・コーン『True Blue/Silver Blue』1981
ロニー・キューバー『Cuber Libre』の2か月後、バリー・ハリスとサム・ジョーンズはXanaduのオール・スター・セッションに参加します。ブルー・ミッチェルとサム・ノトというふたりのトランペッター、そしてデクスター・ゴードンとアル・コーンというふたりのテナー・サックス奏者をフロントに据えた“ダブル・バトル”という企画のレコーディングでしたが、それぞれ個性をぶつけ合ったバトル・プレイングばかりでなく、サックス奏者ふたりだけのデュエットなども聴けるヴァラエティに富んだ内容で飽きさせません。サム・ジョーンズとの名コンビで知られるドラムのルイス・ヘイズも切れの良いプレイを聞かせてくれます。なお、このセッションからは『True Blue』、『Silver Blue』という2枚のLPが生まれましたが、今回はそれらをまとめて2枚組CDとしてリリースされました。
Personnel:AL COHN(ts), DEXTER GORDON(ts), BLUE MITCHELL(tp), SAM NOTO(tp), BARRY HARRIS(p), SAM JONES(b), LOUIS HAYES(ds)
【シリーズ第4弾】
プロデューサー、ドン・シュリッテンのビ・バップ/ハード・バップへの強い思い入れを反映した傑作2作品!
ケニー・ドリュー『Home is Where the Soul is』1978
ヨーロッパに移住して以降ケニー・ドリューはめったに米国へ戻りませんでした。これは、欧州移住後の米国録音としては、77年にNYCで残したSteeple Chase盤に次ぐ2度目のもので、ロスでのレコーディング。リロイ・ヴィネガーとフランク・バトラーという西海岸屈指の黒人ミュージシャンがドリューのバックについたこともあって、ドリューも50年代のようなグルーヴを取り戻しており、アルバム全体から、このころSteeple Chaseに録音していたアルバム群とは異なる“黒さ”が感じられます。ラストの「Yesterdays」は、同じ日の録音ですが、オリジナルLPには収録されていなかったピアノ・ソロ・パフォーマンス。これもまた味わい深い演奏となっています。なお、ドリューは、この翌日にもスタジオに入り、同じトリオにサム・ノトとチャールズ・マクファーソンを加えたクインテットで『For Sure!』というアルバムを残しています。
Personnel:KENNY DREW(p), LEROY VINNEGAR(b), FRANK BUTLER(ds)
チャールズ・マクファーソン『Beautiful!』1975
1960年にデビューしたチャールズ・マクファーソンは、最初から今日に至るまで徹底してチャーリー・パーカーのプレイを追求し続けている“遅れてきたビ・バッパー”。そのマクファーソンは、60年代にはドン・シュリッテンのプロデュースでPrestigeに数々の傑作を残し、70年代というストレート・ジャズ苦難の時代に入っても頑迷にそのスタイルを守り続けます。これは、1975年にNYCで録音されたXanadu第1作で、デューク・ジョーダン、サム・ジョーンズ、リロイ・ウィリアムズという最強リズム・セクションをバックにワン・ホーンで吹きまくった会心の録音。40年代とは次元の異なる“良い音”でホンモノのビ・バップを堪能できる嬉しいアルバムです。聴いていると、この翌年に、ピアニストだけがバリー・ハリスに代わったクァルテットで東京のステージに立ったマクファーソンの雄姿が目に浮かんできます。
Personnel:CHARLES McPHERSON(as), DUKE JORDAN(P), SAM JONES(b), LEROY WILLIAMS(ds)
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