ブーレーズ『春の祭典』コンサートホール盤の2日前のステレオ・ライヴ&ロリオとのモーツァルト協奏曲!
ブーレーズによる1963年6月18日、シャンゼリゼ劇場ですステレオ・ライヴの『春の祭典』がALTUSより約30年振りに再登場します(初登場は1987年仏Disques Montaigne)。この日付は、同じシャンゼリゼ劇場で1913年5月29日に行われた『春の祭典』のセンセーショナルな初演から50年と20日後にあたり、また1963年度のADFディスク大賞とACCディスク大賞をW受賞した名盤、コンサートホールへのセッション録音(TWSA-1009)の僅か2日前にあたります。そしてセッション録音のカップリング曲『4つのエチュード』も演奏されています。ブーレーズが彼の『春の祭典』第1回録音に際し十分な準備をしたことを、このライヴ音源により伺い知ることができます。また、同じコンセプトによる演奏がライヴとセッションの両方で聴けるということで、大きな注目を集めることでしょう。カップリングは1964年3月10日のライヴで、ドビュッシー、ベルク、シェーンベルク、ヴァレーズという20世紀作品で固めた、いかにもブーレーズらしいプログラムを楽しめます。
※当初「春の祭典」の音源を「初登場」と表記しましたが、1987年に仏Disques Montaigneより初発売されたものと同一と判明しました。謹んで訂正いたします。
(タワーレコード)
【参考】1987年発売の仏Disques Montaigne盤(廃盤)
さすがブーレーズ!ライヴにもかかわらず「春の祭典」の音楽的情報量の多さがすごいものがあり冒頭から釘づけです。ライヴでこの明晰さを貫きしかも大迫力でアグレッシヴ!まさに衝撃的演奏の登場です。男ざかり油ののりきったブーレーズに脱帽です。音質大変良好明瞭な美しいステレオ録音です。
(キングインターナショナル)
Disc 1
ストラヴィンスキー:
管弦楽のための4つの練習曲
カンタータ「星の王」
ドビュッシーの墓碑銘(管楽器のためのサンフォニー)
カンタータ「説教、説話、祈り」
バレエ音楽「春の祭典」
フランス国立合唱団、ルネ・アリックス(合唱指揮)
ジョアンナ・ピータース(アルト)、ヘルベルト・ハント(テノール)、セバスチャン・ショウ(バリトン、朗唱)
録音:1963年6月18日
シャンゼリゼ劇場でのライヴ(ステレオ)
Disc2
ドビュッシー:バレエ音楽「遊戯」
ベルク:アルテンベルク歌曲集
シェーンベルク:5つの管弦楽曲 Op.16
シェーンベルク:4つの管弦楽歌曲 Op.22
エドガー・ヴァレーズ:アルカナ
ジョアンナ・ピータース(アルト)
録音:1964年3月10日
シャンゼリゼ劇場でのライヴ(ステレオ)
以上、ピエール・ブーレーズ(指揮)、フランス国立放送管弦楽団
同時発売はメシアン夫人としても知られるイヴォンヌ・ロリオ(1924~2010)とのモーツァルトのピアノ協奏曲第21、25、26番。1964年1月1日のライヴ録音で、モノラルなのが残念ですが、ブーレーズの数少ないモーツァルトとして非常に貴重な音源です。ブーレーズは、モーツァルトが11歳で作曲したピアノ協奏曲第1番~第4番(様々な作曲家の作品を父親の指導の下、モーツァルトが編曲したもの)を、1950年代にロリオとともにセッション録音していました(LBCD1001:CDR) 。他のピアノ協奏曲録音は、1974年にカーゾンと第26番“戴冠式”をライヴ録音(BBCL4020:廃盤)したものと、2003年にピリスと第20番を映像にライヴ収録(2053074:ブルーレイ)したものがあるだけでした。既出音源での演奏は端正な造形と陰影深い響きをもち、リズムカルに力強く音楽を進めながらも優美さも持ち合わせたものだけに、ここでの演奏にも期待が高まります。
(タワーレコード)
ブーレーズのモーツァルトの伴奏の雄弁さがすばらしく、木管が立体的に浮かび、曲想の変化にあわせ変幻の勢いで息もつかせぬすばらしさ。大メシアンが称賛したロリオのモーツァルトですが、すばらしいテクニック、音色の豊かさなど、ここまで生き生きしたモーツァルトは稀。すばらしい復刻です。音質もモノラルながら大変聴きやすく良好。モーツァルトファンならず長く聴かれることまちがいなしの逸品。
(キングインターナショナル)
Disc 1
モーツァルト:
ピアノ協奏曲第21番 ハ長調 K.467
ピアノ協奏曲第26番 ニ長調 K.537『戴冠式』
Disc 2
ピアノ協奏曲第25番ハ長調 K.503
ピエール・ブーレーズ(指揮)、イヴォンヌ・ロリオ(ピアノ)
ラムルー管弦楽団
ライヴ録音:1964年1月1日
パリ音楽院でのライヴ(モノラル)