すべてステレオ・ライヴ!N響90周年記念シリーズ日本人指揮者篇1~近衞秀麿、山田一雄、岩城宏之
今年NHK交響楽団は創立90周年を迎えます。それを記念してライヴ・シリーズを開始。今回発売の4点は日本人指揮者に焦点を当てています。N響の生みの親・近衛秀麿の1967年、創立から40年目の感動的ラスト公演、山田一雄の1976年の黛&シベリウス、1985年のマーラー第5&1990年の“ジュピター”、岩城宏之が1968、1974、1983年に振ったチャイコフスキー三大交響曲が一挙に発売されます!
(タワーレコード)
N響の生みの親・近衛秀麿の感動的ラスト公演
近衛秀麿
(1) レーガー:祖国への序曲 Op.140
(2) J.S.バッハ:管弦楽組曲第3番 BWV1068
(3) バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番
潮田益子(ヴァイオリン)、近衛秀麿(指揮) NHK交響楽団
収録: 1967年4月26日、5月3日/東京文化会館(ライヴ)
近衛秀麿(1898-1973)は、1926年にNHK交響楽団の前身である新交響楽団を結成した、まさに生みの親。1927年2月20日に行われた第1回演奏会も近衛の指揮で行われました。彼は生涯に92回NHK交響楽団のステージに登場しましたが、その最後の演奏会にあたる1967年5月3日で潮田益子と共演したバルトークのヴァイオリン協奏曲第2番の音源が残っていました。前年行われた第3回チャイコフスキー国際コンクール、ヴァイオリン部門第2位入賞を果たした潮田の煌めくような独奏にピッタリ合わせ、バルトークならではの活き活きとした世界を繰り広げます。またドイツ国歌が高らかに謳われるレーガーの「祖国への序曲」、高貴の極みのバッハの管弦楽組曲第3番と、近衛芸術を堪能できます。
山田一雄がN響に20年ぶりで登場した感動のコンサートの記録
山田一雄 Ⅰ
(1)黛敏郎:曼荼羅交響曲
(2)シベリウス:交響曲第2番ニ長調 Op. 43
山田一雄(指揮) NHK交響楽団
収録: 1976年10月13日/NHKホール(ライヴ)
山田一雄(1912-1991)は、1941年にN響の前身である新交響楽団の補助指揮者、翌年専任指揮者となり、同楽団を育て上げました。当アルバムは何と山田一雄が20年ぶりにN響定期に登場した記念すべき公演。黛敏郎の「曼荼羅交響曲」はN響世界一周演奏旅行でも聴くことができますが、さすが日本の現代音楽の旗頭・山田一雄、驚きの説得力で魔術のように聴き手の心を掴みます。もうひとつは山田一雄貴重なレパートリーと言うことのできるシベリウスの交響曲第2番。山田ならではの大きなドラマを聴かせてくれます。
N響の功労者・山田一雄晩年の貴重な客演
山田一雄 Ⅱ
(1) マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調
(2) モーツァルト:交響曲第38番ニ長調 K.504「プラハ」
(3) 同:交響曲第41番ハ長調 K.551「ジュピター」
山田一雄(指揮) NHK交響楽団
収録: 1985年2月13日/NHKホール (1)(2)、1990年11月26日/サントリーホール (3)(ライヴ)
N響史で欠くことのできぬ貢献者山田一雄(1912-1991)。草創期から200回以上NHK交響楽団のステージに登場した彼が晩年にN響と共演した貴重な記録です。1985年2月13日の第953回定期公演は、もともとスウィトナーの予定ながら急病で来日不能となり、山田一雄の代役が実現したもの。十八番のマーラーだけに自在かつ自然。心から感動させられます。モーツァルトの透明さも絶品です。
N響といえば岩城宏之。十八番のチャイコフスキー三大交響曲
岩城宏之
チャイコフスキー:
(1) 交響曲第4番ヘ短調 Op.36
(2) 交響曲第5番ホ短調 Op.64
(3) 交響曲第6番ロ短調 Op.74「悲愴」
岩城宏之(指揮) NHK交響楽団
収録: 1968年3月17日/東京文化会館(1)、1974年6月19日 (2)、1983年2月11日(3)/NHKホール(ライヴ)
NHK交響楽団の指揮者といえば岩城宏之(1932-2006)。1954年に指揮研究員として入団、1969年に正指揮者となり、亡くなるまでそのポストを務めたまさにN響の顔と申せましょう。その岩城の十八番、チャイコフスキーの三大交響曲をお楽しみいただきます。第4番が35歳、5番が41歳、6番が50歳と岩城の円熟の過程も見てとれます。ことに「悲愴」の大きく深い演奏は感動的。岩城宏之の芸術をたっぷり堪能できます。
*古い音源を使用している場合は、テープ劣化によるお聴き苦しい点がございます。予めご了承下さい。
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出演も岩城宏之、外山雄三の指揮、園田高弘、松浦豊明、中村紘子のピアノ、堤剛のチェロと超豪華。いずれも若く、岩城宏之(28)、外山雄三(29)、園田高弘(32)、松浦豊明(31)で、堤剛は18歳、中村紘子に至っては16歳。彼らが日本の威信にかけて臨むエネルギーと緊張が伝わってきます。
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(キングインターナショナル)
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もうひとつの注目は、1932年の第2回ショパン国際コンクール優勝者アレクサンダー・ウニンスキーを独奏に迎え、ショパンのピアノ協奏曲第1番を演奏していること。ウニンスキーは歴代の優勝者のなかで、ショパンのピアノ協奏曲録音が入手できない人なので貴重。それもポーランド出身のクレツキが伴奏しているのも価値を高めています。ウニンスキーのショパン演奏を語るうえでも必須の録音で、即興性満点(ことにフィナーレのコーダ)に驚かされます。
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2016年08月25日 10:00