『激ロック』スペシャルコーナー【12月レコメンドアイテム】
MEMPHIS MAY FIRE / 『This Light I Hold』
GENRE : POST HARDCORE
Jacoby Shaddix(PAPA ROACH)参加曲含む5thアルバムが堂々完成!
王道のメタルコア・バンドに変化してきた彼らは今作で、その王道をさらに追求しながらバンドが持つ可能性を曲ごとに反映させている。PAPA ROACHのJacoby Shaddix(Vo)が参加したTrack.6はもちろん、サザン・ロックの要素が感じられるTrack.3に加え、80sメタルを連想させるTrack.5、ポップなTrack.10など聴きどころは多いが、それらをMEMPHIS MAY FIREというひとつのイメージのもとに収斂させたところに成長を感じずにいられない。
山口 智男【ライター推薦】
DESTRAGE / 『A Means To No End』
GENRE : TECHNICAL METAL, LOUDROCK
イタリアの変態テクニカル・バンド DESTRAGE
新たな方向性も見せた成熟の4thアルバム!
超変態なテクニックを惜しげもなく披露している点では今までとなんら変わりはないのだが、アコギを基調としたどこかエスニックな雰囲気も漂うTrack.1などはまさに新境地。その中でも“らしさ”全開のTrack.3やスピーディでメロディックなTrack.6を聴けば往年のファンも納得の出来栄えであることがわかる。驚いたのは、遊び心溢れるギターと“Blah Blah”と繰り返す妙にキャッチーなサビが印象的なTrack.11だ。正直、今まで以上にその多彩且つ異様な才能を思い知らされた。
今谷 重治【ライター推薦】
TRIVIUM / 『Ember To Inferno: Ab Initio』
GENRE : METAL, METALCORE
幻の1stアルバムに初期のデモ音源を加えた超豪華リイシューが実現!
本編ではアグレッションに溢れたMattのヴォーカル・ワークから、粗削りながら新たなメタル・シーンを切り拓こうとする彼らのスタンスを十二分に感じられる。デモ集の方は、彼らのオリジンとなるバンドからの影響の色濃いトラックから、ブレイクを果たすきっかけとなった2ndアルバムのあとに収録されるトラックまで、すでに高い次元に達していたこと、そして今の成長へと至るパスが必然だったことがよくわかるはずだ。すべてのメタル・ファン必聴の歴史的な音源をその耳でチェックしてもらいたい。
米沢 彰【ライター推薦】
THE QEMISTS / 『Warrior Soundsystem』
GENRE : DANCE ROCK, ELECTRO, LOUDROCK
新たな可能性を模索して完成させた、KORNのカバー曲含むニューEP!
今年2月、6年ぶりとなるアルバム『Warrior Sound』をリリースした彼らが、その続編とも言えるEPをリリース。ライヴならツーステップ必至の「Stepping Stones」とドープなラップ・ナンバー「Find My Way」という新曲に、昨年ツアーで共演したKORNの「Blind」カバー、『Warrior Sound』収録曲のリミックス、さらには最新ライヴ・テイクを加えた計6曲を収録。バンドが持つ多彩な魅力とともに前作以降もバンドの勢いが止まらないことをアピールしている。
山口 智男【ライター推薦】
UPON A BURNING BODY / 『Straight From The Barrio』
GENRE : DEATHCORE, METALCORE
テキサス発のデスコア・バンドが放つ芳醇且つヘヴィな新作!
ラテンの血が騒ぐ軽やかなメロディとゴリゴリのヘヴィ・サウンドが溶け合い、2000年前後のニューメタル/ミクスチャー系バンドを彷彿させるマッチョぶり。スクリームを解き放つ一方で、歌心溢れるクリーン・パートも積極的に取り入れ、パワーだけに頼らない攻めも発揮している。特にキャッチーなメロディで訴えかける点は彼らの大きな魅力と言えるだろう。Track.7はLINKIN PARKに通底する爽やかな美メロさえもアピール。デスコアのイメージをいい意味で裏切る聴きやすさを持っている。
荒金 良介【ライター推薦】
OUT CAME THE WOLVES / 『Strange Fate』
GENRE : POST HARDCORE
ダークなメタルコア~ポスト・ハードコアまでをモダンに描くデビュー作!
硬質でシャープなキャッチーさを持ち、今っぽいメタルコアやダークな雰囲気もあるのだが、個人的には2000年代初期のTHRICEやTHURSDAY、SILVERSTEINなどの匂いを感じる。ソリッドなリフとスクリームによるTrack.6、抑えたテンションの美メロとスクリームが掛け合うTrack.4、高揚感のあるサウンドとグルーヴを持つTrack.9など、ハードコア、パンクを軸にオルタナティヴに進化した楽曲群。さりげないポップ性も散りばめてあり、化けてくれそうなニューカマーだ。
吉羽 さおり【ライター推薦】
ANIMALS AS LEADERS / 『The Madness Of Many』
GENRE : DJENT, PROGRESSIVE METAL, FUSION
不世出のギタリストTosin Abasi率いるインスト集団
難解の宇宙を超人的テクニックで描く奇跡の4thアルバム!
前3作にてDjent、フュージョン、メタルなどを取り入れた革新的なサウンドで自らが描く宇宙的世界観を見事に提示してきた彼ら。今作はエキゾチックなイントロで意表を突かれるTrack.1、人間業を大きく超越するテクニックが詰め込まれたTrack.2を始め、ずしりと深く響く太い弦の鳴りが複雑怪奇なリズム・パターンを生み、細かいドラミングと絶妙に絡むスリリングなTrack.3、複雑な展開の中にほのかな温もりを残すフュージョン色の濃いTrack.5など、一段と大人な雰囲気薫る1枚。
今谷 重治【ライター推薦】
DREAMSHADE / 『Vibrant』
GENRE : MELODIC DEATH METAL, METALCORE
多幸感溢れるメロデス/メタルコア・サウンド全開!
自らのメタル美学を突き詰め劇的に進化させた3作目が完成!
北欧メロデスの美旋律とUSメタルコアの大胆さをハイセンスにミックスしたような劇的なサウンドに、今作でさらに磨きをかけてきた。叩きつけるようなイントロからシンガロング必至のサビまで一気に聴かせるTrack.1、ヘヴィに疾走するパートから多幸感に溢れたメロディを紡ぎ出すスタジアム級のTrack.2など、初っ端から聴きどころ満載。Track.6、7に見られるある種のダンサブルなアプローチは少し衝撃的でもあるが、あまりのハマり具合に彼らの新たな面として大きく納得してしまった。
今谷 重治【ライター推薦】
【激ロック】
ラウドミュージックに特化したフリーマガジン、ポータルサイトの運営、そして国内外のバンドを招聘してのライブイベント、13年間続くROCK DJパーティーの企画、運営を行っている。さらには渋谷宇田川町に位置する「Music Bar ROCKAHOLIC」と同じく宇田川町にあるロックファッション・ショップ&通販サイト「GEKIROCK CLOTHING」の運営など、クロスメディアを超えたクロスカルチャー展開をシーンに仕掛けるラウドミュージック専門のクリエイティブ集団である。
タグ : ハードロック/ヘヴィメタル(HR/HM) PUNK/EMO
掲載: 2016年12月21日 09:11