ヨーヨー・マと音楽家集団「The Knights」による異種世界の融合を目指したアルバム『アズール』
蒼い空と地上の関係性をテーマとした5つの作品をセレクトしたブルックリンの音楽家集団「The Knights」による異種世界の融合を目指したコンセプト・アルバム「アズール」。このアルバムのメインとなるのは、アルゼンチンの作曲家ゴリホフの「アズール」。印象的なアルバム・ジャケットが象徴する通り、スペイン語で“青“を意味するこの瞑想的なチェロ協奏曲は、演奏者であるヨーヨー・マのために2006年に書かれた作品ですが、これは通常の協奏曲のような「ソリストに英雄的な役割」を担わせるのではなく、あくまでもソリストは「異世界を旅する冒険家」であり、「混沌と啓示」の仲立ちとして存在しています。そして彼を取り巻くのは指揮者ヤコブセンとハイパー・アコーディオン奏者ベルゲマン、パーカッションのハダッドとバプティスタの2人を含む51人の音楽家たち。The Knightsが“世界で最も奇怪な音を出す“ことで知られるウォーターホルンからアフリカの民族楽器ジャンベを奏で、ヨーヨー・マのチェロと幻想的な対話を繰り広げます。ヨーヨー・マとThe Knightsは以前からコラボレーションを続け、この作品を何度も演奏しており、すっかり作品を手中に収めています。
彼が演奏するドヴォルザークの切ないアリア「月に寄せる歌」の美しさも必聴。アルバムは現代イランの作曲家AGHAEIの「上昇する鳥」で始まり、ヨーヨー・マが演奏する2曲のあと、シュトックハウゼンの「ティアクライス(黄道十二宮)」、最後はスフィアン・スティーヴンスの幻想的な作品で締めくくられます。
(ワーナーミュージック)
【曲目】
1) Siamak Aghaei(1974-)& Colin Jacobsen(1978-):
『Ascending Bird』
2) ドヴォルザーク(Jesse Diener-Bennett編):
歌劇『ルサルカ』より「月に寄せる歌」
3) ゴリホフ:『アズール』(チェロ協奏曲)
4) シュトックハウゼン(Caroline Shaw編):
『星座のための12のメロディ(黄道十二宮)』より「レオ」
5) スフィアン・スティーヴンス(1975-)(Michael P. Atkinson編):『Run Rabbit Run』からの組曲
【演奏】
ヨーヨー・マ(チェロ:2,3)
エリック・ヤコブセン(指揮)
ザ・ナイツ
Michael Ward-Bergeman,(hyper-accordian)
Jamey Haddad(percussion)
Cyro Baptista(percussion)
【録音】
2015年9~10月、ブルックリン、BRIC(デジタル:セッション)
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2017年03月14日 00:00