元ヴァインパイア・ウィークエンド(Vampire Weekend)のロスタム・バトマングリ(Rostam Batmanglij)が初のソロ・アルバムをリリース
2016年にヴァンパイア・ウィークエンドを離れ、ソングライター/プロデューサーとして活動を開始。ハミルトン・リーサウザーとのプロジェクト、ハミルトン・リーサウザー+ロスタム名義でリリースしたアルバムから、「In A Black Out」がiPhone7のCMに使用され注目を集めたことも記憶に新しい、ロスタムことロスタム・バトマングリが、自身初となるソロ・アルバム『Half-Light』をリリース。今作は、ロサンゼルスにあるロスタムのホーム・スタジオでレコーディングされた。収録されている15曲のソング・ライティング、プロデュース、演奏の全てをロスタム自身が手掛けている。
アルバム・タイトルについて「アルバムがあともう少しで完成する段階になって、ようやく何て呼ぼうかと決めなきゃと、その時初めて“Half-Light"という言葉の意味を調べたんだ」と彼は語る。「“Half-Light”という歌詞と曲の大部分は、何年も前にピアノの前に座っていた時、意識の中に流れ込んできたものを携帯電話のボイスメモに記録したもので、その言葉が意味するものを調べてみようと思ったことはなかった。でも実際に言葉の意味を調べ、”夜明け”と”日暮れ”の両方を意味すると知った時、このアルバムに収録されている曲の歌詞にその時間帯が数多く登場しているのはなぜだろうと考え始めたんだ」
もう一つ衝撃を受けたのが、二つの意味を持った言葉だったということ。「日本にいる友人が、最近は二つの国籍を持つ人たちを”ハーフ”でなく”ダブル”と表現することが増えていると話してくれたのを思い出した。移民の親の元に生まれたアメリカの子供の誰もが、自分たちを”二重”とか”半分”と感じた経験を持っていただろう。また自分をセクシュアル・マイノリティだと感じている人たちもの多くも、成長する過程でやはり同じような経験をしていたと思う、両方の世界を行き来しながら、その度に言語体系を切り替えたりしてね。“経験していた”と過去形で語るのは、今の子供達が同じ経験をしているかどうか分からないから。世の中はどんどん変わっているからね」イラン移民の両親の元でワシントンDCに生まれ、ゲイであることをカミングアウトしているロスタムらしい言葉である。こうしたバックグ・ラウンドを持つ彼だからこそ、アルバム・タイトルの“Half-Light”が万華鏡のような音世界で美しく煌めくのだ。
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掲載: 2017年08月07日 12:00