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ソニー・クラシカル・オペラ・シリーズ 2017年9月発売分(全10タイトル)

ソニー・クラシカル・オペラ・シリーズ①

Sony Classical、RCA、オイロディスクのオペラ録音を廉価でリリースする人気シリーズ!いずれもオリジナル・アナログ・マスターからの最新リマスター。今回はドミンゴ&プライス&ラインスドルフのコンビでヴェルディの“アイーダ”、プッチーニの“外套”、オーマンディ&フィラデルフィア管によるオルフの“カトゥーリ・カルミナ”、カバリエが歌うドニゼッティの“ヴェルジーのジェンマ”、ヘルマン・プライ&ルチア・ポップが歌うヴァインベルガーの“バグパイプ吹きシュヴァンダ”など、名曲から録音の少ないオペラ作品まで名盤揃いの10タイトルです。
ブックレットに歌詞対訳はついておりません。あらかじめご了承ください。

ヴェルディ:歌劇『アイーダ』(2枚組)
レオンタイン・プライス(ソプラノ)、グレース・バンブリー(メッゾ・ソプラノ)、プラシド・ドミンゴ(テノール)
エーリヒ・ラインスドルフ(指揮)ロンドン交響楽団

1970年のRCA録音で、アナログ時代の「アイーダ」の代表盤の一つ。前年録音の『トロヴァトーレ』と共通する歌手が多いのは、いかにもアメリカ市場を念頭に置いたRCAらしいキャステイング。ラインスドルフの緻密な指揮ぶりが作品の単調さを救っています。アイーダ役には、20世紀アメリカが生んだ最高のディーヴァ、レオンタイン・プライス。そしてラダメスはドミンゴの得意役の一つで、ムーティ盤(旧EMI)、アバド盤(DG)、レヴァイン盤(ソニークラシカル)と再録音を残しています。
(ソニーミュージック)
【録音】
1970年7月、ロンドン、ウォルサムストウ・タウン・ホール

プッチーニ:歌劇『外套』(1枚組)
レオンタイン・プライス(ソプラノ)、プラシド・ドミンゴ(テノール)、シェリル・ミルンズ(バリトン)
エーリヒ・ラインスドルフ(指揮)ニュー・フィルハーモニア管弦楽団

プッチーニの「三部作」から最も暗いヴェリズモ・オペラ作品「外套」。日本ではあまり知られていない録音でが、強い個性と老いの哀しみを持つ船長にミルンズ、ヘロモンの塊のような船長夫人にプライス、事件に否応なしに巻き込まれる青年にドミンゴ(まだ売出し中の29歳の新進テノールだった)による、ベストメンバーによる演奏です。
(ソニーミュージック)
【録音】
1971年6~7月、ロンドン、ウォルサムストウ・タウン・ホール

ドニゼッティ:歌劇『ランメルモールのルチア』(2枚組)
リリー・ポンス(ソプラノ)、リチャード・タッカー(テノール)
ファウスト・クレヴァ(指揮)メトロポリタン歌劇場管弦楽団&合唱団

定評ある1954年のセッション録音による「ルチア」の世界初CD化。名歌手リチャード・タッカーとリリー・ポンスの見事な歌唱による名盤で、1950年代にコロンビアがメトロポリタン歌劇場のサンサンブルと録音したオペラ全曲盤の一枚です。リリー・ポンスは、カラスやサザーランドの前世代のソプラノのスーパースターで、強くも柔らかい歌声、難度の高い音もこなした素晴らしい歌手でした。彼女は1960年までメトで歌を続け、絶賛を博しました。リチャード・タッカーによるエドガルド、若き時代のマクラッケンなどの当時のメトの超一流のキャストを迎えて、細部の質感、繊細な表情を流麗に描き上げた名盤です。
(ソニーミュージック)
【録音】
1954年1月、ニューヨーク

ドニゼッティ:歌劇『ヴェルジーのジェンマ』(2枚組)
モンセラート・カバリエ(ソプラノ)、ルイス・キリコ(バリトン)、ナターリャ・チュディ(ソプラノ)
イヴ・クウェラー(指揮)オペラ・オーケストラ・オブ・ニューヨーク

70曲もあるドニゼッティのオペラは、この「ヴェルジーのジェンマ」を含め現在では有名な数曲を除きその殆どが上演されていませんが、特にこの作品は、19世紀のイタリアでは非常に人気のある作品でした。筋書きは復讐・殺人・自殺をモチーフとしたシリアスな内容ですが、暗い曲や不気味な雰囲気はあまり感じらなく、全体的に美しい旋律や迫力ある曲調でまとめられています。ソプラノのために書かれた最も難しい役の一つであるジェンマを歌うのは名花モンセラート・カバリエ。ニューヨーク・オペラ管とともに知られざるオペラの演奏会形式による復活上演を主導してきた女性指揮者イヴ・クウェラーによる世界初録音として大きな話題になった1976年の録音です。今回が世界初CD化。
(ソニーミュージック)
【録音】
1976年3月、カーネギー・ホール

カール・オルフ:『カトゥーリ・カルミナ』(1枚組)
ジュディス・ブレゲン(ソプラノ)、 リチャード・ネス(テノール)、 テンプル大学合唱団
ユージン・オーマンディ(指揮)フィラデルフィア管弦楽団

オルフが名曲「カルミナ・ブラーナ」の続編として1943年に完成させた「カトゥーリ・カルミナ」の初のステレオと久遠となった貴重な音源です。バッハからウォルトンの声楽曲まで幅広いレパートリーを誇ったオーマンディですが、この「カトゥーリ・カルミナ」はて唯一の録音。定評あるヨッフムの再録音盤(DG)に先立つアメリカのオーケストラによる初のステレオ録音。ちなみに歌詞はエロティックな内容ですが、大曲をまとめ上げるオーマンディの見事な手腕が発揮された名演で、おおらかで輝かしい生命感に満ちた開放的なサウンドで、中世ドイツの人々の愛憎を見事に描き出しています。
(ソニーミュージック)
【録音】
1967年4月、フィラデルフィア、タウン・ホール

モーツァルト:歌劇『劇場支配人』K.486(英語版)(1枚組)
レリ・グリスト(ソプラノ)、ジュディス・ラスキン(ソプラノ)
アンドレ・プレヴィン(指揮)イギリス室内管弦楽団

アンドレ・プレヴィンが指揮した唯一のモーツァルトのオペラ全曲録音です。当時のプレヴィン夫人であったドリー・プレヴィンの台本による英語版。プレヴィンらしい颯爽かつ純粋に音楽的な演奏で、名花レリ・グリストとジュディス・ラスキンを揃え、いきいきとしたモーツァルト像を描いた画期的な録音です。
(ソニーミュージック)
【録音】
1967年8月、ロンドン、キングズウェイ・ホール

ロッシーニ:歌劇『タンクレーディ』(3枚組)
マリリン・ホーン(メッゾ・ソプラノ)、エルネスト・パラシオ(テノール)
ラルフ・ワイケルト(指揮)フェニーチェ歌劇場管弦楽団

ロッシーニ21歳の作「タンクレーディ」は、1977年になって一世紀半ぶりに復活上演され、すぐさまロッシーニの傑作と位置付けられました。この録音は、このオペラ初演地であるフェニーチェ劇場での1983年のライヴ録音。マリリン・ホーンは役柄にピッタリの深々とした声と絶妙な表現力で、強く印象に残るタンクレーディの名唱を披露しています。
(ソニーミュージック)
【録音】
1983年6月、フェニーチェ歌劇場でのライヴ

チャイコフスキー:歌劇『スペードの女王』Op.68(3枚組)
ヴィエスラフ・オフマン(テノール)、ステフカ・エヴスタテイエヴァ(ソプラノ)
エミール・チャカロフ(指揮)ソフィア祝祭管弦楽団

ブルガリア出身の指揮者エミール・チャカロフ(1948-1991)は、ベルリンでカラヤンに学んだ後、西側のオーケストラを数多く指揮しました。若い時期からブルガリア政府の後押しでソビエトに演奏旅行を行い、特にレニングラード・フィルとの結びつきは強く、度々客演していました。1980年代後半、チャカロフはソニー・クラシカルに、ムソルグスキー、グリンカ、ボロディンなど、ロシア作曲家によるオペラ全曲盤を多数残していますが、この「スペードの女王」もその一つ。若くして亡くなったチャカロフの実力を示す名演です。
(ソニーミュージック)
【録音】
1988年9月、ソフィア国立歌劇場

ヴァインベルガー:歌劇『バグパイプ吹きシュヴァンダ』(ドイツ語版)(2枚組)
ヘルマン・プライ(バリトン)、ルチア・ポップ(ソプラノ)、ジークフリート・イェルザレム(テノール)
ハインツ・ワルベルク(指揮)ミュンヘン放送管弦楽団

チェコの作曲家ヴァインベルガーの代表作『バグパイプ吹きシュヴァンダ』の世界初録音となった1979/80年録音の名盤。民話風の愉快な話に、ボヘミア調の旋律と近代的な響きを融合した音楽が付さられた非常に楽しいオペラで、1927年にプラハで初演され大成功を収め、1920年代末から1930年代にかけて各地で盛んに上演され、1931年にはメトロポリタン歌劇場でも取り上げられました。しかしヴァインベルガーはユダヤ系だったため、1939年にナチの迫害を逃れて米国へ亡命、1967年に亡くなっています。全曲上演は稀ですが、ポルカとフーガは人気曲として度々取り上げられています。プライ。ポップ、イエルザレムなどドイツの名歌手を揃え、名匠ワルベルクが勘所を押さえた躍動感あふれる演奏で作品の魅力を十全に味わうことが出来ます。作曲家コルンゴルドの息子ジョージ・コルンゴルドが1970年代後半、CBSのためにプロデュースしたオペラ全曲盤の一つです。
(ソニーミュージック)
【録音】
1979~1980年、ミュンヘン、バイエルン放送

シュレーカー:歌劇『イレローエ(狂える炎)』(2枚組)
ミヒャエル・パプスト(テノール)、ルアナ・デヴォル(ソプラノ)
ペーター・ギュルケ(指揮)ウィーン交響楽団

シュレーカーの名声と影響力は、ワイマール共和国初期の数年間に頂点を迎え、当時はリヒャルト・シュトラウスに次いで最も上演されるオペラ作曲家の一人となりました。この「イレローエ」は1923年にオットー・クレンペラーの指揮によりケルンで初演されたオペラです。初演は賛否両論が渦巻き、シュレーカーのそれまでの名声が崩れ始めるきっかけとなった作品ともされています。愛の場面の美しい旋律や混沌としたマーラーのような壮大な管弦楽法、そして旋律性よりも多彩な和音の音色による音響は、まさに後期ロマン派表現主義の申し子シュレーカーならでは。第3楽章の繰り返しを復活させたベートーヴェンの「運命」の楽譜校訂や、世紀末音楽の再演に力を入れている学者にして指揮者でもあるペーター・ギュルケ渾身の名演が、この作品の真価を蘇らせています。
(ソニーミュージック)
【録音】
1989年3月、ウィーン楽友協会大ホール

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2017年08月21日 00:00