エレクトロ・ノイズの鬼才ベン・フロスト (Ben Frost)、スティーヴ・アルビニ (Steve Albini)とのレコーディングによる新作

世界的な大成功を収めた前作『A U R O R A』（2014）から3年、エレクトロ・ノイズの鬼才 ベン・フロストは、スティーヴ・アルビニとの録音で生み出された最新作『ザ・センター・キャンノット・ホールド』をリリースする。本作は、シカゴにあるスティーヴ・アルビニのスタジオで約2週間に渡りレコーディングされ、その制作期間中にスタジオ空間で鳴らされたサウンドは、時に制御不可能になり、ベン・フロストとスティーヴ・アルビニに対し熱く激しく張り合うかの如く火花を散らしたのだった。本作はまさにスタジオで起こったドキュメントである。

【アルバム制作概要】
2016 年夏、ベン・フロストはシカゴに降り立った。それはあのスティーヴ・アルビニとの共同作業に入るためであった。約2週間を超える期間に制作された、今まさに崩壊しそうなくらい膨大に膨らんだ音の塊を、ガランとしたスタジオの中に並べられたアンプ群に流し込んだ途端、スピーカーの方がぶっ飛んだのだった。またスタジオのガラスの向こう側では、アルビニがスタジオで演奏された音源を縦横無尽にぶった切っていった。

轟音と静寂のシューゲイズ / エレクトロ・サウンドの決定打となった前作『A U R O R A』(2014) は、ピッチフォークでベスト・ニュー・ミュージックを獲得するなど世界的な成功を収め、またブライアン・イーノ、ティム・ヘッカー、ビョーク等とのコラボレーション、映画音楽制作など多岐にわたる活動を続けてきたベン・フロスト。その飽くなき挑戦を続けてきた彼が新たに踏み込んで行った先は、シカゴでのスティーヴ・アルビニとの共同レコーディングだった。

『AURORA』

通算4 作目となる『AURORA』。金属ノイズに始まり、感電必至のカチンカチンに冷却した鋼鉄アシッドM2、さらにジャム・シティのマシーン・ファンクを轟音ノイズでぶった切るM4、マイブラとモグワイとゴッドスピード・ユー・ブラック・エンペラーが大音量ノイズをぶちまけた様なM5、ピッチフォーク＜Best New Track＞選出の漆黒のインダストリアル・ダンスM6 に続く。そして後半にかけ音の密度は増し、鋭利で緊張感あふれるアンビエンスとダビーなベースラインが迫るM8、ラストM9 は不穏な静寂から重工業系トライバルビートがジャックする衝撃的なサウンドへと突き進んで行く。生ぬるいインダストリアル・リヴァイバルをブチ抜く、屈指のハードコア・エクスペリメンタル・ミュージック!!!!!!!!