菊地雅章『マトリックス』他〈DEEP JAZZ REALITY〉ビクター篇3タイトル 10月25日発売
国内外のDJ/コレクターから絶大な評価を得る東京 高円寺のアナログ・レコード店、universounds(ユニバーサウンズ)。その店主である尾川雄介氏の監修により、世界中のコレクター垂涎のスピリチュアル・ジャズから、未だ知られざるジャズ・ファンクの秘宝まで、「クオリティ」「レアリティ」「世界初CD化」と3拍子揃った極上の逸品だけを厳選して紹介するシリーズ、『DEEP JAZZ REALITY』。
その『DEEP JAZZ REALITY』にかねてから待望されていたビクター篇が登場。10月25日にリリースが決定したアルバム3枚は、そのどれもが日本の、そして世界のジャズ史に燦然と輝く至宝の作品集ばかり。アナログ・マスターからのリマスタリング、SHMCDという高音質仕様でその名盤を心行くまで堪能してください!
〈DEEP JAZZ REALITY ビクター篇始動記念アナログ・プレゼント・キャンペーン〉
今回の発売の3タイトル(VICJ-70041~70043)を全て購入頂き、各アルバムに封入されている応募券を計3枚をお送り頂いた方々全員にアナログ45回転シングル(三保敬太郎 SIDE-A「聞かざる」SIDE-B 「言わざる」をプレゼント。
菊地雅章『マトリックス』
日本のジャズ・シーンを牽引したピアニスト、菊地雅章。2015年に惜しくも他界したが、情感と創意が溢れる曲と演奏は生涯変わることなく、常に時代の一歩先を歩み続けた。その原点となるのがファースト・アルバムである本作。内容と希少性から長らく幻の名盤と謳われ、CD化が強く望まれていた。スパイシーな「Matrix」、以降幾度となく演奏することになる名曲「Little Aby」、渋いジャズ・ロック「If I Said The Sky Was Falling」など、意義深い曲がズラリと並ぶ。菊地雅章の類稀なる個性と才能の原形が詰まった決定的名盤である。ビクター<日本のジャズ>シリーズの1枚。1969年録音。
(解説:原田和典)
峰厚介『ダグリ』
菊地雅章グループで頭角を現した峰厚介が、自身のレギュラー・グループを率いて録音した作品。板橋文夫を含む気鋭のミュージシャンを揃えたグループの演奏は重厚にして躍動感が溢れ、あたかも新たな時代の幕開けを告げるかのような勢いと鮮烈さがある。この時期コルトレーンからの影響を受けていたという峰のプレイには閃きとスケールの大きさがあり、「Thirsty」や「Daguri」など、突き抜けるような旋律を圧倒的な表現力で吹き切っている。ダイナミズム、リリシズム、エキゾチシズムを兼ね備えた、峰の代表作とするに相応しい存在感に満ちた作品である。全曲自身による作曲。1973年録音。
(解説:長門竜也)
大野俊三『フォルター・アウト』
猪俣猛のサウンド・リミテッド、稲垣次郎のビッグ・ソウル・メディア、ジョージ大塚クインテットなどに参加して新進気鋭のトランペッターとして注目を集めていた大野俊三が、満を持して放ったファースト・フル・アルバム。70年代半ばからニューヨークに赴き、アート・ブレイキーやノーマン・コナーズと共演する、その直前の姿を捉えた清冽な作品である。ポスト・ハード・バップ~エレクトリック・マイルス的な感触もある演奏は端正にして先鋭的。張り詰めたワン・ホーンがアップテンポではシャープに攻め込み、スローでは瑞々しく響き渡る。全作曲も自身で手掛けた記念碑的作品。1972年録音。
(解説:尾川雄介)