マルティン・フレストがジャニーヌ・ヤンセン、ドゥバルグ、テデーンを迎えてメシアン“世の終わりのための四重奏曲”録音!
“クラリネットの魔術師”マルティン・フレストの移籍第2弾は、ジャニーヌ・ヤンセン、リュカ・ドゥバルグら実力派奏者をむかえたメシアン畢生の大作「世の終わりのための四重奏曲」
2016年発売のアルバム「ルーツ」でソニー・クラシカルに移籍した「クラリネットの魔術師」、マルティン・フレストの移籍第2弾は、何とジャニーヌ・ヤンセン、リュカ・ドゥバルグら実力派奏者をむかえたメシアン畢生の大作「世の終わりのための四重奏曲」!
フレストがヤンセンと初めて共演したのは16年前のこと。その時演奏したのがこの「世の終わりのための四重奏曲」でした。さらにその時の演奏でチェロを担ったのがスウェーデンの名手トーレイヴ・テデーン(BISレーベルに録音多数)で、その時の演奏は三人にとって音楽的に極めて充実した経験として記憶されました。
そしてフレストはさらに機が熟するのを待ち、2017年、ようやくピアノに若き鬼才リュカ・ドゥバルグを得たことでレコーディングを決意し、旧知のヤンセン、テデーンとともにこの大作をレコーディングしたのです。フレスト、ヤンセン、デテーンの3人は室内楽の名人としても知られていますが、リュカ・ドゥバルグにとっては当アルバムが初の室内楽録音となります。
この曲は、第二次大戦中にドイツ軍の捕虜となったメシアンが収容所内で作曲、初演したというエピソードで知られ、ピアノ、ヴァイオリン、チェロ、クラリネットという極めて独特な編成は、メシアン自身がピアノを弾き、収容所で出会った音楽家たちと演奏するためであり、8つの楽章には「黙示録」から構想を得た題名が付されています。
4人が一緒に演奏するのは4つの楽章のみで、あとは独奏、二重奏(2つの楽章)、三重奏という組み合わせが採られ、それぞれの奏者の技巧と楽器の特性を極限まで使い尽くすかのような表現力の幅広さが要求される難曲でもあります。
フレストの冴え冴えとした超絶技巧(「鳥たちの深淵」の圧倒的なダイナミック・レンジの広さ)、ヤンセンの薫り高く、瑞々しさ溢れるヴァイオリン(最終楽章「イエスの不滅性への賛歌」の神秘的官能性)、テデーンの渋くウィットに富む重厚な響き、そしてドゥバルグの豊かな感性と強烈な個性に彩られたピアノ…。
4人の個性溢れる名手が、多彩かつ独創的な「世の終わりのための四重奏曲」の世界を鮮烈に描き出します。メシアンの自作自演や、この曲を一躍世界的なものにしたタッシの名盤(RCA)など、個性的な名演に事欠かないこの四重奏曲ですが、このフレスト/ヤンセン/テデーン/デュバルグ盤は、ここ数年の新録音の中では出色の充実度を誇る演奏と申せましょう。
(ソニーミュージック)
【収録予定曲】
メシアン:世の終わりのための四重奏曲
【演奏】
マルティン・フレスト(クラリネット)
ジャニーヌ・ヤンセン(ヴァイオリン)
トーレイヴ・テデーン(チェロ)
リュカ・ドゥバルグ(ピアノ)
【録音】
2017年8月、ベルリン、ジーメンスヴィラ