モービッド・エンジェル(Morbid Angel)、ニュー・アルバム『Kingdoms Disdained』
米・フロリダ州タンパが生んだデス・メタルの帝王MORBID ANGELが、2011年発表の8thスタジオ・アルバム「ILLUD DIVINUM INSANUS(邦題:狂える神々)」以来となる約6年振りの通算9作目「KINGDOMS DISDAINED」をリリースする。
【Kから始まるアルバム】
デビュー作「ALTARS OF MADNESS」以降、これまでの全作品のタイトルの頭文字をアルファベット順に重ねてきたMORBID ANGEL。Iから始まる「ILLUD DIVINUM INSANUS」のあと、2015年にJから始まるライヴ・アルバム「JUVENILIA」をヴァイナル盤だけで発表。そして本作「KINGDOMS DISDAINED」が、Kから始まるアルバムとなる。
【大幅なメンバーチェンジ】
前作「ILLUD DIVINUM INSANUS」では、バンドのリーダーであるトレイ・アザトース(g)の他、デビュー時のシンガー兼ベーシストであるデイヴィッド・ヴィンセントが復帰し、デストラクター(g)、ティム・イェン(ds)というラインナップであったが、2015年初夏に、5thアルバム「FORMULAS FATAL TO THE FLESH」から、7thアルバム「HERETIC」まで在籍したスティーヴ・タッカー(vo,b)が電撃復帰と、トレイ・アザトース以外のメンバーの脱退をアナウンス。ドラマーに元ABYSMAL DAWNで、ANNIHILATEDでも活躍するスコッティ・フラーを、収録曲“Declaring New Law (Secret Hell)”のギター・ソロを弾くVADIMVONのダニエル・ヴァディム・ヴォンをツアー・ギタリストとして迎え、新生MORBID ANGELは「KINGDOMS DISDAINED」を完成させた。
インダストリアルなサウンドに傾倒していたデイヴィッドの影響から、前作は高品質ではあったが、デジタル感が強く、その内容に賛否が合ったことは事実。その反動なのか、本作では本来の彼らの、純粋な悪が放つ禍々しさが詰まったデス・メタル・アルバムに仕上がった。
【プロデューサーは元メンバー】
今作では、傑作と名高い4thアルバム「DOMINATION」と6thアルバム「GATEWAYS TO ANNIHILATION」の時代にMORBID ANGELのギタリスト兼キーボーディスト、エリック・ルータンが、バンドとともにプロデューサーを務めた。エリックは、自身のバンドHATE ETERNALを率い、CANNIBAL CORPSEやSIX FEET UNDER、BELPHEGORの作品のプロデュースも担当。自らのスタジオMana Recording Studiosも所有する、デス・メタルのプロデューサー/エンジニアとしても有名な人物だ。前作「ILLUD DIVINUM INSANUS」でも、エリックはエンジニアを務めたが、MORBID ANGELの作品のプロデュースを手掛けるのは今作が初。
タグ : ハードロック/ヘヴィメタル(HR/HM)
掲載: 2017年11月07日 15:41