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ポーランドを代表するデス・メタル・バンド、ヴェイダー11枚目のスタジオ・アルバム

Vader

 

結成は何と1983年!既にキャリア30年以上という大ベテランのポーランドを代表するデス・メタル・バンド、ヴェイダーが11枚目のスタジオ・アルバムをリリース!

基本的にデス・メタルとカテゴライズされることの多いヴェイダー。確かに92年のアルバム・デビュー時はそれなりにデス・メタル色も強かったが、キャリアを重ねるごとに、その原点とも言える80年代スラッシュ・メタル色が表面に出てきているようである。

今作『ジ・エンパイア』も、正にヴェイダー流に料理されたスラッシュ・メタル!すなわちタイトで速くてヘヴィ。エクストリーム・メタルの王道と言えるサウンドだ。リフや曲自体、そしてアルバム全体としてコンパクトにまとめられているのも、80年代的美学の継承であろう。

レコーディングはポーランドのHertz Studio、プロデューサーはWieslawski兄弟という、前作『汝と炎』(14年)と同じ布陣となっている。アルバムのアートワークを手掛けるのも前作に引き続きJoe Petagno。JoeはMotorhead黄金期のアートワークを一手に引き受けていた人物。

日本盤には『ジ・エンパイア』に先駆けてリリースとなった『アイアン・タイムズ』EPも収録されるが、このEPではモーターヘッドの「オーヴァーキル」のカヴァーが披露されており、2015年に亡くなったレミーへの強い想いも垣間見える。

『ジ・エンパイア』はヴェイダー・ファンはもちろん、すべてのデス・メタルやスラッシュ・メタル・ファンが興奮できる作品、正にエクストリーム・メタルの王道を行く傑作である。最初から最後までアドレナリン全開で一気に突っ走る様は、21世紀版『レイン・イン・ブラッド』と言ったところか。

 

 

 

 

タグ : ハードロック/ヘヴィメタル(HR/HM)

掲載: 2016年10月03日 13:34