イ・ラン、エッセイ集「声を出して、呼びかけて、話せばいいの」が第2回「永井荷風文学賞」受賞
掲載: 2026年08月07日 14:50

マルチ・アーティスト イ・ランによる「家族」を巡る書き下ろしエッセイ集「声を出して、呼びかけて、話せばいいの」が、第2回「永井荷風文学賞」を受賞した。
日本と韓国を行き来しながら、音楽家、文筆家として自由と独自の表現を追求し続け、幅広い支持を集めるイ・ラン。本書は「悲しくてかっこいい人」、「話し足りなかった日」に続く邦訳3作目のエッセイ集だ。
本書は、「文藝 2022年春季号」に掲載され大きな衝撃と反響を呼んだ「母と娘たちの狂女の歴史」を中心に書き下ろされた、「家族」をテーマとした痛切なエッセイ集。執筆のきっかけとなった突然の姉の死と追憶を綴った随想、20年あまり寄り添った愛猫「私の赤ちゃん」ジュンイチとの惜別とダイアローグ、父と母、祖父母が辿った歴史や親戚のエピソードに加え、現在の心境、生活について、また2023年に京都で上演されたオーディオ・パフォーマンス作品を改稿し、劇作家 浜辺ふうが京都言葉で訳した「1から不思議を生きてみる」等、全19編が収録されている。
また本書は、韓国の封建的な社会像、抑圧構造としての家族の姿が浮かび上がり、「個人的なことは政治的なこと」とスローガンに掲げた、1960年代アメリカでの学生運動、フェミニズム運動とも通底する、切実な訴え、社会への強い怒りが率直に衒いなく描かれている。
今最も洗練、先鋭化された感性によって描かれた、家族と自由を希求する言葉たちは、なぜ、これ程までに私たちの心を揺さぶり、圧倒的な感動をもたらすのか。至高の読書体験が約束されているので、ぜひチェックしてほしい。
▼書籍情報
著:イ・ラン 訳:斎藤真理子/浜辺ふう
「声を出して、呼びかけて、話せばいいの」
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