ウォルター・スミス3世(Walter Smith III)、トリオ編成による最新アルバム『トリオ』が完成
2006年のデビュー作以来、現代ジャズ・シーンのトップレベルで活躍しているミュージシャンたちと何度も共演を重ね、既に4枚のアルバムをリリース。さらに2013年にはクリスチャン・スコット(tp)、ジェラルド・クレイトン(p)、ローガン・リチャードソン(as)他とのスペシャル・プロジェクト「ネクスト・コレクティヴ」にも参加、まさにシーンの先端にして中心にい続けるサックス奏者ウォルター・スミス3世、待望の最新作。
過去作はロバート・グラスパー、ジェイソン・モラン、テイラー・アイグスティ等のピアニストに加えてアンプローズ・アキンムシーレ(tp)、マシュー・スティーヴンス(g)などが参加していたが、デビュー時から自身が取り組みたかったトリオ編成によるオリジナル・アルバムがようやく実現。メンバーは旧知のハリシュ・ラジャン(b)とエリック・ハーランド(ds)。さらにスペシャル・ゲストには敬愛するジョシュア・レッドマン(ts)、クリスチャン・マクブライド(b)というビッグネームが参加。
マシュー・スティーヴンスが入った前作『Still Casual』のティピカルな2010年代型ジャズの感覚を、ストレート・アヘッドな伝統的サウンドを纏いながら表現した力作。ウォルターが聴くことも演奏することも好きなスタンダード曲をシンプルに、オーヴァープレイにならないように演奏することに努めたという作品。現代アーティストが最新の演奏スキルで、伝統としっかり繋がっていることを証明した意義ある作品といえる。アルバム原題は「TWIO」で、これは「TRIO」の発音を半分ジョークと共に表したもの。
解説:柳樂光隆 (Jazz The New Chapter)
タグ : Jazz The New Chapter
掲載: 2018年01月17日 16:03