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大ベテラン・ピアニスト、ケニー・バロン(Kenny Barron)が自身のクインテットでブルーノート・デビュー

2018年で75歳を迎え、50年に渡りジャズ・シーンで数々の名プレイ、名セッションにその名を残すピアニスト、ケニー・バロン。
1992年のスタン・ゲッツとのデュオ・ライヴ作『ピープル・タイム』はジャズに残るデュオ名盤であり、バロンの名前を一気にメジャーにした傑作として名高い。
その精力的な活動はまったく衰えを感じさせず、この自身のクインテットによる本作はブルーノートでの初リーダー作となる注目盤。

メンバーは2017年にブラッド・メルドー、ジュリアン・レイジらを含むアルバム『Gratitude』をリリースした実力派サックスマン、デイナ・ステファンズと、マンハッタン・ジャズ・クインテットでも活躍中のトランぺッター、マイク・ロドリゲス、そこにレギュラー・トリオ・メンバーであるベースの北川潔、ドラムスのジョナサン・ブレイクという布陣。

収録されている11曲の楽曲はコンポーザーとしても優れた作曲能力を誇るバロン自身のペンによるものを中心に、3曲のカヴァーを含む充実の内容。
オリジナル曲では、「DPW」はアップ・テンポのハード・バップで、バロンの近所ブルックリンのDitmas Park Westにオマージュした2013年に作った楽曲、ワルツ風のタイトル・トラック「Concentric Circles」、ブレイクの奏でる6/8リズムが美しい「Blue Waters」、バラードの「A Short Journey」、2009年の映画『Another Harvest Moon』に提供した楽曲「In the Dark」、ラテン・リズム愛あふれる「Baile」など。そこに加え、カヴァー曲は元々ガル・コスタのヴァージョンでバロンが知ったという、ブラジル音楽への愛が詰まっているカエターノ・ヴェローソとセザール・メンデス の共作曲「Aquele Frevo Axe」やドラマーのレニー・ホワイトのオリジナル「L's Bop」、そして最後にはソロ・ピアノで披露する、バロン自身リスペクトを惜しまないモンクの「Reflections」。

大ベテランのピアニストによる本格的ニューヨーク・ジャズの醍醐味をじっくり味わえるクインテット・セッション。

 

トラックリスト:
1.DPW(Barron)
2.Concentric Circles(Barron)
3.Blue Waters(Barron)
4.A Short Journey(Barron)
5.Aquele frevo axe(Caetano Veloso/Cesar Medes)
6.Von Hangman(Barron)
7.In the Dark(Barron)
8.Baile(Barron)
9.L's Bop(Lenny White)
10.I'm Just Sayin'(Barron)
11.Reflections(Monk)

レコメンド・ディスク:
スタン・ゲッツ、ケニー・バロン/ ピープル・タイム

60年代の『ゲッツ/ジルベルト』などのボサノヴァ名盤で知られるクール・テナーの名手スタン・ゲッツのラスト・レコーディングとなった1991年3月、コペンハーゲンのクラブ、カフェ・モンマルトルでのデュオ・ライヴ盤。ピアノのケニー・バロンはゲッツの晩年のレギュラー・カルテットのピアニストであり、本作では伴奏者として抜きんでた力量を発揮。コール・ポーター「ナイト・アンド・デイ」やベニー・ゴルソン「アイ・リメンバー・クリフォード」等のスタンダード名曲が表情豊かに響き渡る。なお、2009年にはこの4日間7公演をコンプリート収録した7枚組ボックスもリリースされた。

ケニー・バロン・トリオ/ ブック・オブ・イントゥイション

ピアニスト、ケニー・バロンの自身のトリオによる2017年、インパルス移籍第一弾。スイング、ボッサ、ラテン等のビートも取り入れた多彩な曲調に富んだ自身のオリジナルを中心にしながら、セロニアス・モンク「Shuffle Boil」「Light Blue」やチャーリー・ヘイデン「Nightfall」の楽曲をも取り上げ、センシティヴかつ情緒あふれる名演を聴かせる。ベースの北川潔、ドラムスのジョナサン・ブレイクのリズム・セクションもフレキシブルなグルーヴで魅了する。

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2018年04月16日 18:30